10月1日に予定されている「電気通信事業法の一部の改正」及び、それに伴う省令改正により、携帯電話の販売方法や料金プランが10月に、また大きく変わります。

すでに今年度に入ってから、法改正へ向けて携帯電話各社から新しい料金プランの導入や販売方法の変更、割引サービスの変更が相次いでいます。

筆者自身、長く販売現場にいたため、新料金プランが登場すると「売る側」も「買う側」も混乱は必至です。

さらに10月以降は法改正で、大きく変わることがあるとアナウンスされています。
このため「どうなるか」は事前に知っておいた方がいいかと考えました。

そこで今回は「10月から変わること」を解説していきます。


○端末購入を条件とした利用料の割引などが禁止に
従来、携帯電話を購入すると「2年間、通信料が一定額割り引かれる」と、案内をされた経験がある人は多いでしょう。
また、この割引を2年間しっかりと享受できた場合に「実質0円になる」といった販売も多く行われてきました。




こうした割引は、
 NTTドコモ … 月々サポート
 au … 毎月割
 SoftBank … 月月割
こうした名称で提供されてきました。
しかし法改正を睨み、各社ではすでに受付を終了しています。
また、サブブランド・格安SIMでも「月額割引」や「マンスリー割」など、似たような条件で割引するプランが存在しますが、これも10月以降は法律で禁止されるため、プラン・割引は大きく変更されます。


簡単に言えば、10月以降は完全に
 ・通信料は選んだプランの料金が発生
 ・本体代金も選んだ機種代金を一括、または分割で通信料と共に支払う
この二択になります。




また「割引」として主に旧機種を中心に「2年縛りとは別の縛りを条件に、本体代を大きく割り引くキャンペーン」も禁止されます。

これまでは、半年〜1年毎に各メーカーからは後継となる機種が発売され、元値が10万円近い機種でも1万円や、ときには1円や0円という破格で販売されることが慣例となっていました。
この割引を受けるためには、
 ・指定されたプランに加入する
 ・1年や2年の指定された期間中に解約をすると、2年契約とは別に数万円の解除料が発生する
こうした仕組みで各社が提供してきましたが、この割引も10月以降は禁止されます。


○割引の上限は2万円
割引に対する制限は、上記の2点だけではありません。

携帯電話本体の割引は
「最大で2万円ほどを上限とする」
このルールも10月からスタートします。

例えばAppleのiPhoneのように元々の価格が高い場合、新型モデルが出ても旧モデルは依然10万円近い価格が定価ということも珍しくありません。

従来であれば「新機種が出たので、旧機種は今だけ0円」といったキャンペーンが行われていました。

しかし10月以降は新機種が出ても、旧機種がメーカーで製造されている間は、割引の上限は2万円までとなります。
つまり「型落ち狙いで安く買う」といった購入方法は難しくなるのです。


○2年契約の解除料は1,000円程度に
多くのユーザーを悩ましてきたのが「2年契約」です。
更新月以外の解約では契約解除料が1万円ほどかかるため、とくに他社へ乗りかえたいと考えた場合には解除料が足かせになっていました。

10月以降はこの解除料についても、
各社1,000円ほどに下げるようにとのルールが制定・施行されます。

すでに8月末にはau(KDDI)が発表した料金プランの解除料が1,000円になると案内がありました。また、格安SIMの「LINE MOBILE」も10月以降の契約分について、解除料が1,000円になると発表しています。

解除料が下がることは買い替えたいときに他社への乗りかえも考えやすくなります。
一方で、乗りかえ防止対策に、いくつかの携帯電話会社では「毎月の利用料を見直す」といった発表もしています。

つまり、10月以降の購入は2年契約の縛りが今までよりも大幅に安くはなりますが、今現在契約しているプランとは違うプランを選ぶことになるのです。

10月以降の料金プラン変更は、
タイミングとしては、間もなく発表・発売される新型iPhoneが適用機種になりそうです。
その後、携帯電話各社から、Androidを中心とした秋冬モデルで適用されます。

新製品の発表を待って、
・型落ちモデルを安く買おう
・新iPhoneから通信会社をのりかえよう
そう考えている人も多いと思います。

「今買った方がおトクか」
「もう少し先になって買った方がおトクか」
どちらがトクか? 9月中にはハッキリするはずです。

買い替えを検討中の人は、変わる内容を店頭でもしっかり確認し、買い替えを決めるようにするといいでしょう。


執筆 迎 悟