JALが新たに導入する「エアバスA350 XWB」シリーズの初号機、A350-900型機「『挑戦』のレッド」が就航。出発前のセレモニーでは、パイロット出身のJAL植木義晴会長がエアバスを導入した経緯や理由を明かしました。

次世代のJALフラッグシップ機

 JAL(日本航空)が2019年9月1日(日)、国内線用最新鋭機「エアバスA350-900型機」の運航を羽田発、福岡行きのJL317便で開始。羽田空港で就航セレモニーを開催しました。


出発を控えたA350-900型機のJAL初号機(2019年9月1日、乗りものニュース編集部撮影)。

 A350-900型機は「エアバスA350 XWBシリーズ」のひとつです。2013(平成25)年10月にJALは初めてエアバス社から「A350 XWBシリーズ」の導入を決定。JALの主力機種であるボーイング777シリーズの後継として、国内幹線から順次導入する計画します。

 今回初便に使われたのは、A350-900型機の初号機(機番:JA01XJ)です。「『挑戦』のレッド」をテーマにした特別塗装機で、機体後部には赤い字で「AIRBUS A350」と大きく書かれています。

4日まで羽田空港で座席を展示

 就航セレモニーに出席したJALの植木義晴会長は、「トゥールーズ(フランス)から東京へのフェリーフライト(回送運航)に乗ったとき、12時間の飛行時間でしたが、静かで快適だったことを覚えています。日本初導入のA350 XWBシリーズは、これからJALのフラッグシップを担っていきます」と話します。


A350-900型機の座席。2019年9月4日まで展示される(2019年9月1日、乗りものニュース編集部撮影)。

 セレモニーには、エアバス社のクリスチャン・シェラーCCO(最高商務責任者)、ロールスロイス・ジャパンの露久保治彦社長らも参加しました。なお、羽田空港でJALが拠点としている第1ターミナル内の「マーケットプレイス」では、9月4日(水)まで、JALのA350-900型機の座席が展示されます。

JAL会長が語るエアバス機との「馴れ初め」

 初便の出発前、搭乗ゲートでもイベントを開催。パイロット出身の植木会長が、エアバス機との“馴れ初め”のエピソードを披露しました。

「JALの社長に就任してすぐの2012(平成24)年に大型機の後継機選定が始まり、エアバスの工場に初めて行きました。そのときエアバス機をシミュレーターで操縦したのです。操縦桿(かん)は、ボーイング機などはコントロールホイールなのに対し、エアバス機はサイドスティックで大きく異なります。しかし、40年間コントロールホイールの飛行機ばかりを飛ばした私でも、エアバス機のサイドスティックは違和感なく操縦ができたのです」(JAL 植木義晴会長)。


記念撮影に応じるJALの植木義晴会長(右)(2019年8月31日、乗りものニュース編集部撮影)。

 植木会長は続けて、JAL初の新造エアバス機であるA350-900型機を導入する理由を話します。

「操縦桿以外にもエアバスとボーイングには様々な違いがありますが、両社とも改めて一流の航空機メーカーなのだと思いました。その両方のメーカーを取り入れることで、本当の意味ですべての飛行機を理解できると思ったのです」(JAL 植木義晴会長)

「この日のために6年間準備してきました。最高の飛行機ですから、ぜひ試してみてください」(JAL 植木義晴会長)というA350-900型機。この初号機の客室は、国内線仕様の3クラス編成で計369席を搭載します。機内デザインも「日本の伝統美」をテーマに従来機から一新。全クラスで個人モニターのほか、電源コンセント、USBポートを備えた座席を導入しています。

 今後A350-900型機は、羽田〜福岡線で1日3往復するほか、10月27日(月)から羽田〜新千歳線で4往復、2020年2月1日(土)から羽田〜那覇線で1往復にそれぞれ投入される予定です。

 A350-900型機の2号機と3号機は、10月12日(土)から投入。2号機は「『革新』のシルバー」、3号機「『エコ』のグリーン」の各カラーで特別塗装が施されます。