愛媛大学の菅原卓也教授と同大生が温州ミカンの葉に含まれる機能性成分に着目し、産学官連携で「みかん葉っこう茶(混合茶)」を製品化した。ミカンの葉で作った愛媛の新しい茶として松山空港や道後温泉の土産物店などでPR販売しながら、「みかん葉っこう茶」の機能性や健康効果を実証していく。

 「みかん葉っこう茶」は、県産温州ミカンの葉と久万高原町の茶葉をブレンドして 発酵させたものに、乾燥したミカンの皮を加えた。かんきつの爽やかな香りと紅茶のような味わいが特徴。30、40代の女性をメインターゲットに商品化した。1パック(2グラムティーバッグ10個)700円(税別)。

 商品開発に取り組んだのは、同大農学研究科付属食品健康科学研究センター長の菅原教授と同大農学部の学生9人。

 同県産業技術研究所では、温州ミカンの果皮に多く含まれるさまざまな健康成分が 葉にも含み、花粉症などのアレルギー症状を緩和するノビレチンは果皮と同程度含まれることを確認している。

 菅原教授らは、これまであまり注目されなかった葉の水溶性成分の機能性に着目。培養細胞による実験で炎症緩和効果が明らかになり、新規の機能性食品素材として期待できると考えた。

 同大や県、松山市の松南園などの協力で2018年2月、産学官連携製品開発プロジェクトを立ち上げた。ミカンの葉には発酵能力がないため、茶葉の力を借りて発酵させ、ミカンの乾燥果皮を加え飲みやすい味に仕上げた。

 菅原教授は「動物実験などで温州ミカンの葉の抗炎症効果の解明が進めば、活用範囲の拡大が期待できる」と話す。