夏休みも残りわずか。今年の夏休みが始まる直前に読者に調査をしたところ、277人中、「夏休みが楽しみだ」と答えた人は59人だったのに対し、その約2倍となる115人が「憂鬱だ」と回答していました。

親たちが感じた夏休みのストレスについて、具体的なエピソードとともにご紹介します。

子どもの夏休みは、親にとっての繁忙期。ママたちの忙しすぎる夏に密着



アンケートで「憂鬱だ」と答えた人に、どんなことがストレスかと聞いてみると、次のような結果に。

「子どものお昼ご飯を用意すること」……89人
「子どもがずっと家にいること」……57人
「子どもに外出、遊びを要求される」……56人
「子どもの宿題および自由研究の手伝い」……45人
「子どもが友達を連れてくる」……5人


今回は、宿題および自由研究の手伝いと、子どものお昼ごはんの苦労のエピソードについて詳しく聞いてみました。

●自由研究はもはや親の宿題。言っても聞かない子に対する強硬手段?


子どもが一向に宿題に手をつけてくれない。もう私がやるしかない…と徹夜する文豪気分に圧倒的に多かったのが、夏休みに課される大量の宿題と、自由研究への憂鬱でした。

「毎年ながら、読書感想文が自分の宿題のように気が重いです。一行目から、『なに書けばいいの?』と言い出す息子に唖然とするところから始まります(涙)。結果的に私が課題図書の本を一晩で読んで感想文を書いて、それを子どもに書き直してもらっています」(専業主婦・38歳)

「言ってもなかなか着手しないし、結局、誘導尋問のように『このときどう思った?』と聞いて、私が文章を組み立てることに。来年、小学生に上がる娘の分もやらないといけないのかと思うと、今から憂鬱で仕方ありません」(専業主婦・40歳)

なんとか子どもが自主的にやるといいのですが…。それができたら苦労しませんよね。
続いて、もはや「親の宿題」と感じている人が多い自由研究です。

「自由研究は必須事項なのに、子どもはぎりぎりまでまったくやる気なし。結果、自由研究のテーマをネットで検索して、簡単なバナナの日焼け実験をやりましたが、子どもは文句を言うだけでした…」(フルタイム・42歳)

親に丸投げせず、やる気がある子どもの研究のお手伝いならまだやりがいがある…そう思いきや、大変な苦労を強いられることも。

「子どもが『市内の城跡を巡って自由研究としてまとめたい!』と言い、一緒に同行。市内の城は山城のため、傾斜、雑草、ヤブ蚊、暑さとの戦いで死ぬかと思いました」(自営業・43歳)

そして本当の地獄は、夏休みが終わりに近づいてくるこの時期です。

「私の仕事が忙しいこともあり、宿題の進み具合を見てあげられなかったのですが、夏休みが終わる2日前に『算数ドリルをまったくやっていない…』と泣きそうな顔で子どもに告げられました。子どもは真っ青になって進みが悪かったので、夜遅くまで手伝いながらなんとか仕上げました」(フルタイム・39歳)

一方、何も言わなくても、宿題を終わらせていた子どもはと言えば…?

「答えを見て書いていました。それに気づいたのが夏休みの終わり。やり直させるのにとても苦労しました」(フルタイム・40歳)

●一日中、家にいる子ども。毎日3食のシェフと化す母


子どもと過ごす時間が増えるのは幸せなのはわかるのですが…ずっと家にいる我が子にしんどい思いをする人も(写真はイメージです)夏休み中、子どもが毎日家にいると、3食準備をしなければいけません。

「朝食が終わったら、次の昼食は何をつくろうか考え、毎日食事のことを考えて一日が終わります。冷蔵庫がすぐカラになるので、買い物に行く回数も増えて、余計に忙しくなっています」(アルバイト・45歳)

「子どもたちが常に家にいるためか、3食以外にもおやつや飲み物をリクエストされます。少しは出かけてくれたらありがたいんですが、家にいてゲーム三昧ですから」(専業主婦・31歳)

受験を控えた子どもは家にはいないけど、お弁当づくりもまた大変です。

「子どもが小6の夏休み。中学受験を控えた夏期講習は日曜とお盆休み以外はほぼ毎日、昼・夜の分のお弁当づくりがあります。夕方には塾にお弁当を届けに行きます。親子ともにハードな夏でした」(アルバイト・45歳)

●フルタイムママは、子どもへの罪悪感を抱いてしまうのも夏休みで…


自分も仕事のこともあり、子どもの夏休み時期は日々ぐったり(写真はイメージです)

一方、仕事を持っているママたちは、子どもに対して罪悪感が生じ、精神的にもつらい「夏休み」になります。

「正社員で働いているので、毎日児童館に預けてお弁当を持たせるのも大変でしたが、それ以上に、『ほかの子どもたちはママと過ごせる時間がたくさんあるのに』という罪悪感が半端なかった」(フルタイム・39歳)

「今年から午後も仕事の日が増え、お昼をつくってあげられないこと。ひとりで食べさせてしまう日が出てくることに罪悪感があります」(パートタイム・44歳)

それでも、仕事以外は、有り余るパワーをぶつける子どもたちと向き合うのもやはり母親。

「子どもたちはとにかく毎日夜更かししています。昼間に相手ができず、さみしい思いをさせてしまうので、つい遅くまで一緒にテレビを見たりゲームをしたりと付き合ってしまうのですが、とにかく朝起きるのがツラいです(涙)」(フルタイム・40 歳)

こうしたママたちからは「ああ、早く2学期が始まってほしい!」なんて切実な声が聞こえてきそうですが、教員からはこんな不満がありました。

「『夏休みが大変、早く学校が始まって』『ちょっと学校にでも行ってくれれば』と言われると、『いや、その大変な子たちを普段40人分抱えているのよ、託児所じゃないのよ…』と複雑な気持ちになります。正直、教師にとっては夏休みはありがたいです」(学校教員・30歳)

大変なのはみな同じ。そんなことも重々わかっているんですがね。
しかし、何年かたつと、こうした過酷な日々も宝物に思える日々が来るようです。最後に、「夏休み」を卒業したママたちからのこんな声を紹介します。

「幼稚園から小学校低学年の頃は、遊びの相手をしたり、レジャーへ連れて行ったりしなければならず、体力もお金もかかり大変でした。しかし子どもの年齢が上がるにつれ、友達同士で遊ぶようになり親の出番はなくなり、夏休みが大変だったというのは、今ではいい思い出です」(パート・43歳)

自由研究の付き添いで共に虫に刺されるのも、親子で肩を並べて読書感想文に取り組むのも、後から振り返ればいい思い出になるかもしれません。

<イラスト/大ハシ正ヤ 取材・文/ESSEonline編集部>