DeNAの逆転優勝が消えかけている。

DeNAは2019年8月21日、京セラドームで阪神と対戦し、1−3で敗れた。先発・上茶谷大河投手(22)が5回4安打2失点の好投を見せたが、打線が機能しなかった。阪神の7安打を上回る10安打を放ちながらも得点は5回の1点のみ。苦手・阪神に2連敗を喫して3位転落。首位・巨人とのゲーム差は7ゲームに開き、22日にも自力V消滅の可能性が出てきた。

采配にDeファンからは不満上がるが...

完封負けを喫した前日の悪い流れを断ち切ることが出来なかった。その象徴的なシーンが2回の攻撃だ。4番、5番の連続安打で無死1、2塁と、先制の絶好の機会を作ったが、続く戸柱恭孝捕手(29)がサードのファールフライでランナー動けず。7番・大和内野手(31)がレフト前に運び、2塁走者の佐野恵太内野手(24)が果敢に本塁を狙うもタッチアウト。この回、3安打を放ちながらも無得点に終わった。

結果論にすぎないが、無死1、2塁の場面で戸柱に送りバントをさせていれば...。DeNAはリーグトップクラスの強力な打線を誇るだけに、アレックス・ラミレス監督(44)は犠打を好まない傾向にある。犠打数はリーグ最少の「64」で、最多の中日、広島の「85」よりも20以上も少ない。同じく高い攻撃力を持つ巨人も犠打数「67」と少ないが、終盤にきて打線が機能している。

前日の敬遠満塁策、そしてこの日の拙攻。ラミレス采配についてDeNAファンから不満の声が絶えないが、球団関係者からは高い評価を受けているようだ。序盤戦の不振からチームを立て直し、一時は首位・巨人に肉薄する勢いを見せた。逆転優勝こそ厳しい状況になったが、クライマックスシリーズ(CS)進出の可能性は高く、2位・広島との差はわずか0.5ゲームで、2位でのCS進出も十分可能な位置につける。

「クビを切る理由はどこにもない」

今シーズンのラミレス監督の球団への貢献度についてプロ野球関係者は「球団の評価は高いと思います」と話した上で、次のように続けた。

「球団の評価基準は結果です。現時点で3位ですが、広島とのゲーム差はわずかです。逆転優勝ならもちろんのこと、リーグ優勝を逃してもクライマックスシリーズ進出ならば来季も続投でしょう。2位でクライマックスシリーズに進出できれば、球団への貢献度は非常に高くなる。クビを切る理由はどこにもないでしょう」

23日から東京ドームに乗り込み、首位・巨人との3連戦を控える。連日の敗戦に「何とかしないといけない」と口にした指揮官だが、その采配に変化は見られるのか。今シーズンも残り28試合となった。