日曜日に行われたドイツ杯初戦、ブンデス3部ヴァルトホフ・マンハイムとの近隣クラブ同士による対決は、ファンにとってはたまらないワンマッチゲームの試合展開となった。特に立ち上がりからわずか10分たらずで2点のリードを許す苦しい展開に。その後にレビッチのハットトリックなどで5−3と辛勝を納めたのだが、試合後、会見の席にてヒュッター監督は、前半でみせたコンパクトさに欠けたパフォーマンスについて問われると「何を物足りなかったと思うのか?全てだよ。まさに全てだ。自分たちがボールを持っていた時も、そして相手がボールを持っていた時も含めてね。戦術的な規律、軽率なロスト。あんなこと思ってもいなかった。立ち上がりも怠惰で、その代償を支払う結果になってしまったんだよ」と苦言を呈した。

 「スペースを埋めるにしても、セカンドボールを拾うにしても、あまりにも動けていなかった。3バックからトップの位置まで50mも間延びしてしまえば、全てを守りきれといっても難しいものだよ。動きがシンクロしていなかったし、前の方で守備ができておらず、後ろを突かれた時に背後への対応もできていなかった。これは試合に臨む姿勢によるものだと、私は考えている」と厳しい批判を展開した。特に2失点目、さらに同点に追いついた後の3失点目での軽率なプレーがあげられ、こういったことを公でおおっぴらに語ることにより、ブンデス開幕戦にむけた檄を飛ばすという意味合いもあることだろう。
 
 その一方でヒュッター監督は「後半では良くなっていった。選手たちには賞賛の言葉をおくりたい。ここから盛り返せたということは非常に重要なことだと思う。困難な状況から奮起していく選手たちの姿は印象的だった。それは決して簡単なことではない」とも述べ、勝利へと導くハットトリックをみせたアンテ・レビッチについては「重要なことは、彼だけがパフォーマンスを上げたのではないということ。むしろチーム全体だ。後半の立ち上がりでは、確実に試合をつかんでいたし、チャンスをしっかりといかさなくてはならないよ。それができていれば、最後までもつれ込むような展開にはならないんだ」と言葉を続けた。

ハーフタイムでダ・コスタを代えた理由


 精彩を欠いた前半のパフォーマンスではほぼ全員を変更しても構わなかっただろう、アディ・ヒュッター監督。しかし決断したのはわずか1つ、しかも昨季では公式戦46試合でフル出場していたダニー・ダ・コスタだった。攻撃ではアクセントをもたらせず、守備面でも本来の姿になかった同選手に対して、指揮官は「ドリンク休憩時にもっと上げていくように檄を飛ばした。その結果、ヨヴェリッチに素晴らしいセンタリングを供給したが、それでも物足りなかった。選手たちにはもっと多くを求めている」と説明。

 代わりに投入されたエリック・ドゥルムは、3−3へと追いつくセンタリングを供給するなど仕事をこなしており、「とてもよかったね」と指揮官。右サイドバックにおける定位置争いは激化している。ただドゥルムの加入はダ・コスタにも多くのプラス材料をもたらすものだ。定位置争いへの刺激となること、そしてヨーロッパリーグも含めた数多くの試合が控える中で、精力的なプレーが要求されるポジションにおいて、時折休養をとる代役という意味合いもある。さらにドゥルムは左サイドバックとしてもプレーが可能だ。