名参謀ローチ氏の発言を母国メディア紹介「パッキャオ引退の時と示唆」

 ボクシングの6階級制覇王者マニー・パッキャオ(フィリピン)が20日(日本時間21日)、米ラスベガスで行われたWBA世界ウェルター級スーパー王者キース・サーマン(米国)との統一戦で2-1の判定勝ちを。同級史上最年長世界王者となった40歳だったが、長年トレーナーを務めるフレディ・ローチ氏はフルラウンド死闘の被弾数などの“異変”から、サーマン戦を最後に現役引退の可能性を明かしている。フィリピン英字メディア「ラプラー」が「ローチはパッキャオが引退する時と示唆する」と報じている。

 10歳年下の無敗王者を下し、健在ぶりを見せたアジアボクシング界最大の星パッキャオ。しかし、長年指導してきた名参謀ローチ氏は初回にダウンを奪った後のスローダウンを見抜いていた。記事によると、こう語ったという。

「彼はあの試合で少し疲労が見えた。それはとても珍しいことなんだ。もしかすると、トレーニングコーチがオフを多く与えすぎたのかもしれない」

 2-1の判定にもつれ込む接戦ながら、勝利は揺るがずと確信したというローチ氏。一方で、フルラウンドの死闘でパッキャオの“異変”を指摘したという。

「彼の状態は良さそうだ。あまりに多くのパンチを被弾しすぎたので、私は少しばかり心配している。次に話をする際には、腰を据えて今後について話をするかもしれない。これが最後かもしれない。次戦は存在しないかもしれないよ」

記事は「パッキャオ自身は合意しないだろう」と記述

 次戦の対戦相手にIBF世界ウェルター級王者エロール・スペンスJr.(米国)ら猛者との統一戦の可能性が取りざたされる中、パッキャオがサーマン戦を最後にリングから降りる可能性を指摘している。

 記事では「もちろん、フィリピン人のトレーナーのブボイ・フェルナンデスとフィジカルコーチのジャスティン・フォーチュン、パッキャオ自身は合意しないだろう」としているが、年間最優秀トレーナーに7度選出された名伯楽の発言には親心が存在する。

「一番、起きてもらいたくないことはマニーが傷つくこと。簡単にオッケーだ。次はエロール・スペンスと戦うことにしようと、全てを急がせるようなことは言えないんだ。

 だから、我々はじっくり話し合う。誰と対戦するのか、これでおしまいなのか。何かを証明しなければいけないことはないんだ。彼らは昨日の夜に全てを証明した。名勝負だったんだ」

 ローチ氏はこう語ったという。年齢の壁を破り、感動を届けたレジェンドだが、サーマン戦の死闘が見納めとなるのか。それとも、まだまだリングで雄姿を見せ続けるのか。去就が脚光を浴びている。(THE ANSWER編集部)