米フロリダ州ではワニが頻繁に出没するようだが、このほど同州で散歩中の犬がワニに襲われた。その犬を救うため、75歳の男性がワニと闘ったという。『New York Post』『Tampa Bay Times』などが伝えている。

米フロリダ州パームハーバーに住むバディ・アッカーマンさん(Buddy Ackerman、75)は今月9日、ゴールデン・レトリバー「オシ(Osi)」を連れて自宅近くの池のまわりを散歩していた。

朝の5時半頃で外はまだ薄暗く、歩き進むと突然オシが悲鳴をあげた。掴んでいた伸縮リードの先にいるオシに目をやると、全長2メートル半はあるとみられるワニがオシの背中に噛みついていたのだ。この時の様子をバディさんはこう話している。

「オシはずっと悲鳴をあげていました。その時の私は緊張のあまり、思わず後ろの方に転んでしまいました。それでもワニにオシを持っていかれないようにリードを掴み、ワニと引っ張り合いになったのです。」

そしてバディさんはオシを救うために夢中でワニの鼻を2回ほど蹴ったところ、ワニが口を大きく開けて後ずさりした。その瞬間、オシはワニから逃れることができたという。

バディさんはオシと一緒にその場を離れ、すぐにフロリダ州魚類・野生生物保護委員会(FWC)のワニ・ホットラインに連絡、オシを噛んだと思われるワニはその日のうちに捕獲された。

オシはワニに噛まれたものの怪我はなかったとのことだ。実はこのオシ、バディさんの娘ジョディさんが飼っている犬で、バケーション中のジョディさんのかわりにバディさんが世話をしていたのだった。

ジョディさんはオシが無事だったことに胸をなで下ろし、「父はヒーローだわ。私とオシは父にすごく感謝しているの。本当に誰も怪我がなくて良かったわ」と明かしている。

またバディさんは後日、「オシがワニの口に収まる程度の小型犬じゃなくて本当に良かったと思います。もしペキニーズや走り回る小型犬だったら、どうなっていたか分かりません。たぶん別れを告げるしかなかったでしょう」と語った。

今回バディさんは幸運にもワニを撃退できたが、米サウスカロライナ州では昨年、ワニに襲われた愛犬を救おうとした女性がワニに水辺へと引きずり込まれて死亡していた。FWCでは、ペットを散歩させる時にはリードをつけて水辺から離れた場所を歩くよう注意を呼びかけている。

画像は『Tampa Bay Times 2019年7月12日付「Florida man kicks gator in snout, saves dog」(Courtesy of Buddy Ackerman)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)