プレシーズンキャンプで首脳陣に猛アピール中、試合出場時の布陣を考察

 今夏JリーグのFC東京からレアル・マドリードに移籍した日本代表MF久保建英は、現在トップチームの北米遠征に帯同している。

 1年目はレアルB(カスティージャ)でプレーすると見られ、早期のトップチームデビューに期待も高まっているが、実際に久保が出場するとなれば、どのような形での起用になるのか。現時点でのメンバーを中心に考察した。

 今季、FC東京の主力としてリーグ戦13試合で4ゴールをマークした久保は、6月9日の国際親善試合エルサルバドル戦(2-0)で史上2番目の若さとなる18歳5日でA代表デビュー。同月のコパ・アメリカでも全3試合に出場し、ブラジルの地でレアル移籍が決まった。

 現在参加中のプレシーズンキャンプでも、トレーニングから確かな実力を示し、レアル首脳陣にも猛アピールを続けている。FC東京では右サイドハーフ、日本代表ではトップ下が主戦場の久保だが、レアルのトップチームで出場機会を得るとすればどのポジションで、どのようなメンバーとともに出場することになるのか。ベストメンバーに入る場合、現実的に出場機会を得る場合に分けて、それぞれ考察していく。

 今回は、レアルが主に採用していくことになると思われる4-3-3システムに当てはめて見ていきたい。右インサイドハーフ、あるいは右ウイングでの起用が予想されるが、タレントが飽和状態の前線と若手が多い中盤を比較すれば、右インサイドハーフの可能性のほうが高そうだ。

 その場合、ベストメンバーなら並んでプレーするのは昨年のバロンドール受賞者であるクロアチア代表MFルカ・モドリッチか、ドイツ代表MFトニ・クロース。アンカーを務めるブラジル代表MFカゼミーロ(北米遠征は不参加)の前で、創造性を発揮することが求められることになるだろう。

 久保がインサイドハーフなら、右ウイングに入ると見られるのはスペイン代表FWマルコ・アセンシオやウェールズ代表FWギャレス・ベイルという世界屈指の左利きアタッカーだ。右サイドバックのスペイン代表DFダニエル・カルバハルとともに、個性的なウインガーと連係しながら攻撃を作り出すことが期待される。

主力不在のメンバーならイスコとの共演に ヨビッチとの“ホットライン”にも期待

 一方で、カップ戦などで主力が不在の際には、当然ながら出場機会が巡ってくる可能性は高まる。その場合でも、セルビア代表FWルカ・ヨビッチやブラジル代表FWヴィニシウス・ジュニオール、スペイン代表FWルーカス・バスケスなどが控える前線よりも、インサイドハーフでのプレーが現実的だと言えそうだ。

 こちらのメンバーではスペイン代表MFイスコと並び、ウルグアイ代表MFフェデリコ・バルベルデのサポートを受けながらのプレーになるか。バルベルデは前線にも飛び出していけるタイプなだけに、イスコも含めた3人でのバランスを取りながら、右ウイングのバスケス、右サイドバックのオドリオソラとも連動して攻撃を仕掛けるという立ち位置になるだろう。

 また、昨季までフランクフルトで元日本代表MF長谷部誠とチームメートだったヨビッチは、抜け目のないタイプのストライカー。中盤で前を向いた際にヨビッチの動き出しを見逃さず、ピンポイントのスルーパスを出すことができれば、シンプルかつ効果的に得点を生み出す“ホットライン”が生まれる可能性もある。

 日々評価を高めている久保だけに、プレシーズンではさらに起用の幅が広がることも十分にあり得る。インターナショナル・チャンピオンズ・カップでバイエルン(現地時間20日/ヒューストン)、アーセナル(23日/ワシントンDC)、アトレチコ・マドリード(26日/イースト・ラザフォード)と対戦するなか、久保のレアルデビューに期待したい。(Football ZONE web編集部)