江戸時代のサラリーマンともいえる武士たちは意外なことに休日が多いのが実情でした。そう考えると羨ましいと思うかと思いますが、実際は大変でした。

休日を有意義に過ごすことができたのは上級武士で下級武士はアルバイトに精に出していました。

今回は下級武士たちが抱えていた問題をご紹介します。

アルバイトは様々

下級武士は生活のために寺子屋の講師や盆栽の栽培など多様性に富んでいました。尚且つ、家の中でこなすアルバイトが多く武士たちが己のプライドを守るため隠れてアルバイトをしていた事情が窺えます。

芸能の才があった下級武士は今でいうお笑い芸人さんのように営業を行い、生計をたてる者もいました。

そんなアルバイトの中には江戸の名物にもなったものもありました。それは朝顔の栽培です。

朝顔/Wikipediaより

綺麗に咲かせた朝顔は江戸中でブームとなり、現代まで続く入谷の朝顔市はこれが起源となっています。

下級武士たちの本音!「実は出世したくないんです…」

実は下級武士は出世することを良しとしていませんでした。出世すれば今より多く給料が貰えると考えがちですが、出世しても増額はありませんでした。

あるとしても気持ち程度の増額なので、出世したことにより役職に見合った身なりや交友関係を整えなければならず、下級武士たちを困らせていました。

出世した下級武士はこうやってやりくりした!

では、出世した下級武士はどうやってやりくりしたのかというと、賄賂が主な手段となっていました。

武士は邪なことはしないとイメージがあると思いますが、賄賂は江戸幕府も黙認しており、貰うことは決して後ろめたいことではありませんでした。

しかし、賄賂を貰うことに夢中になり、本来の仕事をおろそかにしてしまうと元も子もないので江戸幕府8代将軍、徳川吉宗は給料制度を大きく変えました。

 徳川吉宗像/Wikipediaより

そのことにより、役職の任期中はかなりの額のボーナスを貰える厚待遇になりましたが、任期を終えるとボーナスがなくなるので、当時の武士たちは仕事よりも地位を守ることに精を出すことになってしまいました。

最後に

江戸時代の下級武士たちは本業の他にアルバイトで生計を立てていることに驚きでした。このようなことから江戸時代は武士でも必死に働かないと生きていけない過酷な時代だったことがわかりますね。

参考:水戸計著『教科書に載っていない江戸の大誤解』