“重戦車”ことヴィエリ氏、現在のセリエAのCB陣について次々言及

 元イタリア代表FWの“重戦車”ことクリスティアン・ヴィエリ氏が、現在のセリエAのセンターバック陣についてイタリア紙「ガゼッタ・デロ・スポルト」で論評したなか、ACミランについては、過去の名選手の名前を挙げながら再建中を強調した。

 ヴィエリ氏は、セリエAではユベントスやインテルで活躍。1年間スペインのアトレチコ・マドリードでプレーして得点王も獲得している。イタリア代表でもエースストライカーとして猛威を振るった。強靭なフィジカルを生かしたプレーから重戦車とも呼ばれたヴィエリ氏は、セリエAのセンターバック陣について触れている。

 古巣インテルがアトレチコから獲得したウルグアイ代表DFディエゴ・ゴディンについて、「彼を移籍金ゼロで加入させたのは素晴らしい補強だ。DFとして経験も申し分なく、レベルも高い。そして、シュクリニアルとデ・フライは相手と近接してプレーする古典的なDFだ。彼らにとっても良い補強になる」との見解を示している。

 また、ユベントスが獲得に近づいているオランダ代表DFマタイス・デ・リフトについて高評価を与えると同時に、ユベントスのUEFAチャンピオンズリーグ(CL)優勝に近づく貴重なピースと指摘する。

「ユベントスにとって重要すぎる補強だ。若いにも関わらず、手堅いプレーをできるセンターバックだ。すべてのタイトルを取るようなシーズンにしたければ、4人の素晴らしいセンターバックが必要だ。キエッリーニは35歳であり、注意深く起用しなければいけない。ユベントスは常に前進しているように見える。デ・リフトはクラブの未来になる」

ヴィエリ氏が大絶賛 「柔らかく足下を使え、素早く、強さがあり、ずる賢さもある」

 今季からセリエAに加わるだろう選手たちをこう評したヴィエリ氏だが、最強の存在はナポリにいるとしている。それがセネガル代表DFカリドゥ・クリバリだ。

「並び立つものがないほどの存在だ。世界でも、最も完成されたセンターバックだと言える。柔らかく足下を使え、素早く、強さがあり、ずる賢さもある」

 一方で、ACミランについては「対戦した中でパオロ・マルディーニは最も完成度の高い選手だった。今は、その彼がジャンパオロ(新監督)にとって適切な選手を見つけるだろう。ファンは忍耐強く待たなければならない」と話し、再建の途上という見方を示した。

 今季からセリエAにはボローニャへ日本代表DF冨安健洋が加入する。数年後、ヴィエリ氏のような存在からセリエAのセンターバックとして名前が挙がるには、クリバリらと比較されるほどの存在感を示さなければならないだろう。“守備の国”と称されるイタリアでゴールを量産した元ストライカーの眼には、こうした選手たちが現在のセリエAで有数のセンターバックに映っているようだ。(Football ZONE web編集部)