国内未発生の害虫、ツマジロクサヨトウの幼虫が鹿児島県南九州市の飼料トウモロコシ畑で見つかったと、県が3日に発表した。この害虫は近年、アフリカや中国など世界的に拡大し、大きな農業被害を与えており、侵入を警戒していたもの。同県には飛来して侵入した可能性があり、県は農水省と連携して初動防除に当たる。拡大を食い止めるため、疑いのある虫を見つけたら、関係団体に連絡するよう求めている。

 ツマジロクサヨトウは、ガの仲間であるヨトウムシ類の一種。幼虫が、稲やトウモロコシなどのイネ科作物や、カブやキュウリ、トマト、ナス、サツマイモ、大豆などを食い荒らす。アフリカなどで猛威を振るっていた。農水省によると、2019年には中国や台湾でも発生・被害が広がっている。

 発生農場では、幼虫が成虫にならないよう飼料トウモロコシをサイレージ化し、防除する方針だ。同時に使用可能な農薬を調べる。県によると、的確な防除をすれば被害は抑えられるとしている