「今人気のアイドルといえば?」

そんな質問を投げかけたら、きっと多くの人が乃木坂46を連想するだろう。『NHK紅白歌合戦』に4年連続出場、日本レコード大賞を2年連続受賞、ミリオンヒットの連発など、その勢いは増すばかりだ。

今年で結成8年目。西野七瀬をはじめとする人気メンバーの卒業や4期生の加入など、グループは新たなステージに入ったようにも見える。

そんな新たな乃木坂46を背負って立つメンバーとして期待されているのが、与田祐希だ。

福岡県の志賀島という自然豊かな環境で育った彼女は、2016年に当時16歳でオーディションに合格し3期生として加入。2017年には18thシングル『逃げ水』で同期の大園桃子とともにWセンターに抜擢され、瞬く間に人気メンバーとして頭角を現した。

7月5日、まさに季節の変わり目にいるグループの現状を描いたドキュメンタリー映画『いつのまにか、ここにいる Documentary of 乃木坂46』が劇場公開された。

劇中で、与田祐希がこぼした涙の意味とは。乃木坂46のこれからについて、現在の心境を語ってもらった。

撮影/岡本武志 取材・文/照沼健太

いつのまにか撮られていた“乃木坂46の日常”

ドキュメンタリー映画の撮影が始まったのは2017年の年末。カメラがつねにある状況に、緊張したり戸惑ったりしませんでしたか?
最初は映画だと知らされないまま、自然に撮ってもらっていたんです。そしたらある日突然「ドキュメンタリー映画を制作します」と言われて。「もう撮ってます」と。
みなさんがそれを聞いたのは、2018年の12月だったそうですね。若月佑美さん卒業セレモニーライブの直後だったとうかがいました。
そうなんです。でも映画を撮ってると教えてもらってからも、あまり意識することがなくて、普段の私たちの日常にカメラがあるみたいな感覚でした。
映画を観て、率直にどんな感想を抱きましたか?
「乃木坂46はいいグループだな」と思いました。

私は乃木坂46に入る前、ただの中学生だった頃に前作のドキュメンタリー映画(『悲しみの忘れ方 Documentary of 乃木坂46』、以下『悲しみの忘れ方』)を観ていたんですけど、乃木坂46の良さを改めて感じましたし、その新作の中に自分がいるのが嬉しくて、不思議な気持ちにもなりました。
前作『悲しみの忘れ方』には、メンバーが悩んだり苦しんだり、激しく言い合ったりと、壮絶なシーンもありました。あの映画を観たうえで、乃木坂46のオーディションを受けることに躊躇はありませんでしたか?
中学生の頃、私は学校に行けなくなってしまった時期があるんです。でも、そのときに背中を押してくれたのが『悲しみの忘れ方』でした。あの映画を観て「キラキラした世界にいる人たちも、悩んだり苦しみながら、こんなに努力しているんだ」とわかって、すごく励まされたんです。

だから、自分が乃木坂46に入ると決まったときは、「これから壮絶なことが待っているかもしれない」という不安よりも「あの人たちと一緒に頑張れるのは、スゴいことだ」という前向きな気持ちでした。
乃木坂46は外から見ても素敵なグループだと感じますが、中にいる与田さんが感じる「乃木坂46の良さ」って何ですか?
“あったかい空気”ですね。私が3期生として加入したとき、乃木坂46はすでにキラキラと輝いている大きなアイドルグループでした。でも、私は入ったばかりなのに突然18thシングルのWセンターに選ばれたんです。もう不安すぎて「急に入ってきた人間がこんなポジションにいていいのかな」とすごく悩みました。

……でも、先輩方や同期のみんなが本当に優しかったんですよね。だからあのときに頑張れたんだ、と映画を観て改めて思い出しました。
優しい空気感はたしかに伝わってきました。(岩下 力)監督目線で「怖いくらい仲が良い」とも語られていましたしね。みんながいつもくっついている、と(笑)。
本当にびっくりするくらい、くっついてますよね(笑)。私は学校で仲良しグループみたいなのに入ったことなかったし、他の人にくっついたりしたこともなかったんですけど……。どうしてですかね? この映画を観て「私、こんなにくっついているんだ」って自分で驚きました(笑)。

齋藤飛鳥は「大きなものを背負っている」

映画本編では齋藤飛鳥さんの成人式やプライベート旅行の密着やインタビューなどもありました。与田さんは齋藤さんのシーンをどう観ましたか?
飛鳥さんはすごく大きなものを背負っているじゃないですか。この映画を観てもそれが伝わってきて、やっぱり飛鳥さんはスゴいなと改めて思いました。
齋藤さんは1期生の最年少メンバーで、センターを何度も務めるなど、“新エース”として注目を集めている存在だと思います。他の1期生メンバーが卒業していく中、グループの未来を背負い始めていることが映画でも描かれていました。
そうですね。同時に、乃木坂46のメンバーとして一緒に活動していくうえで「私ももっと頑張らないといけないな」と刺激も受けました。
キャリアは違いますが、齋藤さんは1998年、与田さんは2000年生まれと、年齢差はふたつ。与田さんにとってどんな存在ですか?
安心する存在、ですね。乃木坂46に入りたてで遠慮してオドオドしていた私に対して、飛鳥さんは最初から積極的にスキンシップをとってくれたんです。

そういう愛あるいじりをしてくれるのが、私はすごく嬉しかったんです。今でも一緒にいるのが楽しいです。
劇中で印象に残っているシーンはありますか?
もちろん感動だったり、グッと来るところはあるんですけど、個人的にこの映画で一番気に入っているのが、飛鳥さんの髪の毛を桃ちゃん(大園桃子)が食べているシーンです。びっくりしたし、面白すぎて笑っちゃいました(笑)。

卒業した西野七瀬への想い。最後にもらった言葉

劇中では、西野七瀬さんの卒業も大きなトピックとなっています。西野さんの卒業から半年が経ちますね。
映画の中で七瀬さんがお話している姿を観て、もうドバーって泣いちゃいました。「あー、会いたいな」って……。卒業後は、お会いできる機会がガクッと減っちゃったんです。だから本当に寂しくて。
西野さん本人がメンバーの前で自らの卒業を発表するシーンがありました。与田さんは泣いていましたね。
想像もしていなかったので、びっくりしました。もういなくなっちゃうんだと思うと、寂しくって、しばらくどころかずっと引きずって泣いていました。なんかもう、七瀬さんに会うたびに悲しくなっちゃって。……ヤバい、恋する中学生男子みたいですよね、私(笑)。
いえいえ(笑)。
……でも本当に、めっちゃ寂しかったです。
与田さんにとって西野さんはどんな存在でしたか?
私はずっと七瀬さんの背中を見ていました。乃木坂46に入ってすぐに、七瀬さんとふたりでの撮影があったんです。そのときからずっと憧れの先輩です。だんだんと七瀬さんはお姉ちゃん、私は妹というかペットみたいな関係になっていったのですが(笑)。

だから『逃げ水』でWセンターに選ばれて、不安でいっぱいだったとき、フォーメーション的に七瀬さんが隣にいてくれたのはすごく嬉しかったです。七瀬さんに“支えてもらった”というよりは、もう“立たせてもらっていた”くらいでした。
西野さんに教えてもらったことや、かけてもらった言葉で印象的なものはありますか?
七瀬さん……たくさんあるんですよね……。本当に不安で怖くて、さまよっていたときに一番近くにいてくれた人だから。何もわからないときとか、どうしていいかわからないとき、不安すぎて泣くしかないときも、ずっと隣にいてくれて。

七瀬さんが卒業するとき、「これから楽しみにしてるね。祐希なら大丈夫だよ」って言ってくれたんです。そう言ってもらって、本当に嬉しくて……。
これからずっと与田さんの支えになるような、素敵な言葉ですね。
はい。「頑張ろう」って思えます。
西野さんを含む多くのメンバーが卒業していきましたが、先輩たちから“バトンを受け取っている”という思いはありますか?
あります。先輩たちの背中が本当に大きいので、不安もプレッシャーも感じますが、逃げないで正面から向き合わなきゃと思っています。

逃げちゃダメだ、負けちゃダメだ

齋藤飛鳥さん、西野七瀬さんについてうかがいましたが、劇中では与田さんのパートも乃木坂46の季節の変わり目を象徴するように描かれています。実家でヤギを散歩させているシーンは衝撃的でした(笑)。
ライブシーンの後に突然ヤギが出てきたから、私もちょっと笑っちゃいました。「急に来た!」って。
与田さんが載っている雑誌のページの切り抜きを集めたアルバムをめくりながら、涙を流すシーンもありました。
家族や地元の人に心配をかけたくなくて、不安やプレッシャーみたいなネガティブなところをできるだけ見せないようにしなきゃって気持ちがあったんです。だから、監督がおばあちゃんにインタビューしている横で、泣かないように泣かないようにと我慢しながらアルバムを見ていました。

でも、これまでおばあちゃんとふたりで話すことってそんなになかったから、私に対する思いをちゃんと聞くのってほぼ初めてで、気づいたら涙が……。こらえようとしていたんですけど、一気にあふれちゃいました。
齋藤さんも、与田さんが涙したシーンが印象的だとおっしゃっていました。ファンの方が観たら泣いちゃうと思います。
ふふっ。泣いちゃいますかね(笑)。
最後にお聞きしたいのですが、与田さんが乃木坂46に加入して3年が経ち、4期生が加入して先輩にもなりました。この3年間で自分は変わったと思いますか?
まったく別人だなと思います。島にいた頃は、本当にのんびりと将来のことも考えず「高校は制服が可愛いところに行きたいなぁ」みたいな感じだったし。部活もやっていたけど、最後までは続けられなくて。世に言う“ヘタレ”みたいな感じでした。
それが乃木坂46に入って大きく変わった、と。
はい。正直、逃げそうになったことはあるんですけど、そのたびに誰かに支えてもらったり助けてもらったりしながら活動してきて、生まれて初めて責任を感じたんですよね。「逃げちゃダメだ。負けちゃダメだ」って。
責任。
……私、責任を負うことがすごく嫌で、今までずっと逃げてきていたんです。でも、乃木坂46に入った時点で責任が生まれて、活動を続けていく中で「責任を背負えるというのはありがたいことだ」って思えるようになったんです。
それは、強くなりましたね。
はい。だいぶ強くなりました(笑)。
与田祐希(よだ・ゆうき)
2000年5月5日生まれ。福岡県出身。O型。2016年、乃木坂46の3期生オーディションに合格。2017年8月に18thシングル『逃げ水』でWセンターに抜擢される。2017年12月にはソロ写真集『日向の温度』(幻冬舎)が発売。今年からは『MAQUIA』(集英社)、『bis』(光文社)のレギュラーモデルを務めている。

作品情報

『いつのまにか、ここにいる Documentary of 乃木坂46』
7月5日(金)公開
https://www.2019-nogizaka46.jp/

サイン入りポラプレゼント

今回インタビューをさせていただいた、乃木坂46・与田祐希さんのサイン入りポラを抽選で3名様にプレゼント。ご希望の方は、下記の項目をご確認いただいたうえ、奮ってご応募ください。

応募方法
ライブドアニュースのTwitterアカウント(@livedoornews)をフォロー&以下のツイートをRT
受付期間
2019年7月8日(月)12:00〜7月14日(日)12:00
当選者確定フロー
  • 当選者発表日/7月15日(月・祝)
  • 当選者発表方法/応募受付終了後、厳正なる抽選を行い、個人情報の安全な受け渡しのため、運営スタッフから個別にご連絡をさせていただく形で発表とさせていただきます。
  • 当選者発表後の流れ/当選者様にはライブドアニュース運営スタッフから7月15日(月・祝)中に、ダイレクトメッセージでご連絡させていただき7月18日(木)までに当選者様からのお返事が確認できない場合は、当選の権利を無効とさせていただきます。
キャンペーン規約
  • 複数回応募されても当選確率は上がりません。
  • 賞品発送先は日本国内のみです。
  • 応募にかかる通信料・通話料などはお客様のご負担となります。
  • 応募内容、方法に虚偽の記載がある場合や、当方が不正と判断した場合、応募資格を取り消します。
  • 当選結果に関してのお問い合わせにはお答えすることができません。
  • 賞品の指定はできません。
  • 賞品の不具合・破損に関する責任は一切負いかねます。
  • 本キャンペーン当選賞品を、インターネットオークションなどで第三者に転売・譲渡することは禁止しております。
  • 個人情報の利用に関しましてはこちらをご覧ください。
ライブドアニュースのインタビュー特集では、役者・アーティスト・声優・YouTuberなど、さまざまなジャンルで活躍されている方々を取り上げています。
記事への感想・ご意見、お問い合わせなどは こちら までご連絡ください。