ただ、そんな尻すぼみな応援になった原因について、「第1戦の結果を受けて理解できるところはあるが、守備的な戦いは消極的にも映り、結果的にファンを失望させてしまった」と、選手たちの戦いぶりであり、戦術の選択にあったのではないかと指摘している。
 
 そしてキム・ドフン監督は試合後、「結果を受け止めるしかない。すべては監督の責任です」と肩を落とした。
 
 一方、大槻監督は開口一番、サポーターへの感謝を口にした。あくまでも2試合トータルで競われるのがACLの決勝トーナメント。ホームの埼スタで不甲斐ない試合をして1-2で落とした第1戦の直後、ゴール裏の浦和サポーターからは第2戦に向けて、選手たちの背中を押す大きな声援が送られていた。
 
「次のラウンドに進めて良かったです。ホッとしています。選手がよく頑張ってくれたこと、それに先週のゲームの後のスタジアムと今日、あの素晴らしいサポーターの後押しがあったからこそ今日のゲームが生まれたと思っています。心から感謝したいです」
 
 敵地韓国、豪雨の中で浦和が成し遂げたパーフェクトゲーム。難しいミッションだったが、決して奇跡ではない。燃えるような情熱のもと、浦和が一丸となって、ベスト8への道を切り開いた。
 
取材・文:塚越始