ブラック企業では、残業代や業務で使った経費など、払うべきお金を従業員に払わないケースがある。キャリコネニュース読者から寄せられた「お金を払われなかった」体験談を紹介する。

営業職20代男性の元勤務先は、社会保険の加入がなく、交通費や諸経費の請求は「月に5000円まで」とされていた。上限を超える場合は自腹を切っていた。また上層部は「苦労が美徳」の考えが強く、効率化を図ろうとエクセルでマクロを組むと部長に呼び出された。

「『PCに細工して自分だけ楽しようとしている』と詰められました。業務効率化のためと必死に弁明しても、ぶちギレ状態の部長は聞く耳を持たず、PCを叩き割りました。部長から『元はお前のせい。お前自身でPCを弁償しろ』と言われ、泣く泣く自腹で買いました」

社長は「手取り9万円あれば一人暮らしできる」と豪語

障害者施設スタッフをしていた30代男性は、「残業代・ボーナスなし。月給は当時最低賃金ギリギリの12万円で、手取りは9万円ほどでした」と振り返る。専門知識があまりないスタッフが多く、問題は日常的に発生していた。1か月休みがなかったこともあった。月に1回、スタッフ同士の親睦を深めるための飲み会があったが自腹だ。男性は、

「それに、通勤費だってありません。給料が安いのに社長は、『手取り9万円あれば一人暮らしができる』と豪語していましたよ」

と呆れている。

ベンチャー企業で営業をしていた30代男性は、入社当初は9〜21時まで12時間働く日々を送っていた。それでも残業代もボーナスもなく、手取り額は15万円ほど。また、毎月の目標は平均売上の1.5倍で、ほぼ達成できない数字だった。

「歩合制といいつつ、ノルマを達成してもインセンティブはありませんでした。結果を出しても出さなくても、給料に影響はありませんでした」

「研修で必要だからという理由で、自己負担で車を購入させられる」

学習塾で働いていた30代男性は、個別指導の全責任を負わされていた。それにもかかわらず昇給はなかったという。一番ひどかったのが、理事長が勝手に完全歩合制に変えたことだ。

「日当制で採用されたのに、本当に身勝手すぎます。理事長は人の事情など考えず深夜でも連絡をしてきますし、仕事の範囲も広げられました。うまくいかないとペナルティを科せられます」

管理・事務職として働く20代女性の元勤務先にはタイムカードはなく、2時間を超えないと残業代がつかなかった。しかしそのルールは徹底されていたわけでなく、「2時間以上残業しても、手当がつかなかったこともありました」という。

ほかにも、

「新卒で入った会社に『研修で必要だから』という理由で、自己負担で車を購入させられた。しかも研修は1年のみでした」(20代男性、販売・サービス)
「会社から『有給休暇を使ったら、ボーナスを減らします。使っていない人が、かわいそうだ』と言われました」(40代男性、技術職)

といったエピソードが寄せられていた。

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