2018年に納豆の原料に使われた大豆のうち、国産の占める割合が22%となり、統計がある03年以降で最も高かったことが全国納豆協同組合連合会(納豆連)の調べで分かった。消費者の国産志向に加え、輸入大豆に比べて加工適性が高いことも決め手となり、各社が利用を進めている。だが、依然として8割を輸入に依存しており、需要の伸びを“自給率”向上につなげられるかが今後の鍵となる。

 18年の原料大豆の使用量は前年比3%増の14万8000トンで、このうち国産大豆は同1割増の3万3000トンだった。国産大豆の使用量はここ5年で2・5倍に急増。それに伴い、国産の割合は13年まで8〜10%で推移していたが、ここ5年で12ポイント増と大幅に高まった。

 近年、国内の納豆市場は堅調に伸びている。納豆連によると、18年の納豆の市場規模は前年比7%増の2375億円。栄養成分を豊富に含む健康食品として消費者の支持を広げ、3年連続で過去最高を更新している。

 こうした中、「消費者の国産志向は高い」「タンパク質や糖分をバランス良く含み、納豆への加工適性に優れる」(納豆連)ことを背景に、メーカーが利用を進めている。

 業界3位のあづま食品(宇都宮市)は4割で国産を使用。「国産大豆の納豆を指定、注文する小売りが増えている」と話す。最大手のタカノフーズ(茨城県小美玉市)は「需要の伸びに応じて、増産したい」と意気込む。

 産地も対応を進める。納豆連によると、市販商品に占める小粒納豆の割合は7割で、「原料には納豆専用の小粒品種か、一般品種からより分けた小粒大豆を使う」(大手メーカー)。主産地である北海道のホクレンは「納豆専用品種の増産を呼び掛けている。道内の集荷面積がここ5年で3割伸びた」と話す。

 JA全農は「生産者の経営安定に向け、販路を確保した契約栽培を後押ししている。国産大豆の消費拡大につなげたい」と意気込む。