ボローニャのテクニカル部門コーディネーターに任命されたワルテル・サバティーニが、6月18日に就任会見に臨んだ。64歳のベテランディレクターは、新たな挑戦に意気込んでいる。

 その意気込みから先走ったのか、サバティーニは来季に向けた新戦力の獲得を“予告”してしまったようだ。先日から移籍が報じられているシント=トロイデンの日本代表DF冨安健洋のことである。イタリア紙『Gazzetta dello Sport』などが報じた。

 ボローニャに在籍するチリ代表MFエリク・プルガルについて聞かれると、サバティーニはコパ・アメリカ初戦でプルガルがヘディングでゴールしたことに触れた。そしてその際、「(プルガルを)マークしていたのは我々の日本人選手かい?」と口にしたのだ。

 もちろん、冨安のボローニャ移籍は正式に発表された確定事項ではない。実際、プルガルの得点時にマークについていたのは中山雄太だった。にもかかわらず、サバティーニが「我々の」と漏らしたことで、会見場の記者は騒然となった。

 「これは獲得発表か?」と問われると、サバティーニは苦笑しながら、控えていたスポーツディレクターのリッカルド・ビゴンに「まだ発表できないんだっけ?」と呼びかけた。Gazzetta dello Sport紙は、ビゴンSDは笑顔で「落ち着いて」とのジェスチャーをしたと伝えている。

 サバティーニは最後に「具体的な可能性と言っておこう」と濁したが、テクニカル部門を束ねることになった新幹部の発言を受け、同紙は「最初の補強を暴露」と報じた。19日付の同紙は、600万ユーロ(約7億8000万円)でボローニャは冨安を獲得できるようだと報じている。

 日本代表の一員としてブラジルで開催中のコパ・アメリカに参戦中の冨安。注目される新天地がセリエAであれば、2018年冬に長友佑都がインテルを去って以来の日本人選手となる。守備の国イタリアに、新たな日本人DFが誕生するのだろうか。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部