カプセルトイは、いまや世界中で人気のトーイだ。
国内のカプセルトイ売り場には、日本人だけでなく、海外からの観光客も多数集まるほどだ。
紙幣を100円硬貨に両替して、カプセルトイのハンドルを回すのは世界共通の景色だ。

その景色が、今後は変わるかもしれない。
カプセルトイの世界にも、キャッシュレスの波がやってきたのだ。

バンダイが、電子決済に対応したカプセル自動販売機「スマートガシャポン」と「POS機能搭載カプセルステーション」を東京おもちゃショー2019に出品した。


カプセルトイの市場には、バンダイやタカラトミーなど多くの企業が参入している。
その中でも大手のバンダイが参入したのは、1977年、いまから42年前だ。
当時は20円の販売が主流だったが、異例ともいえる100円で市場参入を果たしたという。
ちなみにバンダイでは、カプセルトイを「ガシャポン」と呼称しているが、命名の由来は、「ガシャ」とハンドルをまわすと、「ポン」とカプセルが出ることから名付けられた。


■キャッシュレス決済に対応する最新の「スマートガシャポン」
「スマートガシャポン」は、
・操作用タッチパネル
・Suicaなどの交通系電子マネーの読み取り機が1面
・商品販売機が5面
これらが1台にセットされて販売機だ。


読み取り機1面、商品販売機5面がセットの「スマートガシャポン」。


商品を購入するには、
1. 操作用タッチパネルで購入したい商品を選択
2. 交通系電子マネーを読み取り機にかざして決済
3. 購入したい商品が入った自販機のハンドルをまわして商品を取り出す

交通系電子マネーが利用できるため
・両替機が不要
・100円硬貨が不要
このため小銭が無いためにカプセルトイが購入できない、という事態を防げる。


ユーザーは画面を見ながら電子決済ができる。



「スマートガシャポン」の電子マネー読み取り機。


担当者によると、現在対応しているのは交通系電子マネーのみだが、二次元コード決済などへの対応拡大を検討している。また今年8月には、英語と中国語をサポートするそうで、インバウンド需要にも対応する。「スマートガシャポン」により100円硬貨を用意する手間が無くなるだけでなく、あらたに「抽選」のような新機能も提供できるようになるという。

「スマートガシャポン」の設置はだが、現在はJR池袋駅には導入済みだ。
今後の配置については、2019年5月末までに50台を全国に展開する予定とのこと。




■在庫がリアルタイムでわかる「POS機能搭載カプセルステーション」
「POS機能搭載カプセルステーション」は小型のカウンターを搭載し、POSデータが取得できるカプセルステーションだ。

カプセルステーションは6面で1セット。
カウンター子機の情報をサーバーに送信するための通信親機を設置する。
背面には6面分の販売値を計測できるカウンター子機がある。
カウンターとアンテナを設置するだけで、カプセルの売上げや在庫管理ができる。


POSデータが取得できる「POS機能搭載カプセルステーション」。


担当者によると、簡単な商品登録で、オペレーションの効率向上と販売チャンスロス低減に効果を発揮できるという。

オペレーションや各種管理は専用WEBページで行うだけでなく、スマートフォンやタブレット、パソコンなでも管理できる。
補充タイミングや、補充が必要な製品判別がリアルタイムで可能になるので、品切れ前に補充できるなど、オペレーション効率を向上できる。また販売データの集計により、商品別の売上推移や店舗別の販売履歴も簡単にまとめられる。


専用WEBページのイメージ。スマートフォンでも確認することができる。


また商品登録も、JANコードをバーコードリーダーで読み込むだけで完了できるので、手間と時間を減らせる。またカプセル機の配置変更も、入れ替える2面をタップして「決定」ボタンを押すだけで変更が可能となる。

販売しているカプセルトイをSNSで公開も可能なので、購入者が欲しいカプセルトイをSNSで確認してから来店するといった活用も可能となる。


執筆:ITライフハック 関口哲司