世界最大の通信販売サイトを抱えるAmazonは、クラウドコンピューティングサービスのAmazon Web Serviceや広告事業を手がけるAmazon Advertisingなど、他分野の事業にも携わっています。そんなAmazonでゲーム開発事業を担当する「Amazon Game Studios」で、何十人もの従業員が一斉に解雇されたとゲーム系メディアのKotakuが報じています。

Amazon Lays Off Dozens Of Game Developers During E3

https://kotaku.com/amazon-lays-off-dozens-of-game-developers-during-e3-1835523460



Kotakuが実際に解雇された従業員から聞いた話によると、世界最大のゲーム展示会「E3 2019」の最終日となる2019年6月13日に、Amazon Game Studiosの人員整理がひっそりと行われたそうです。解雇を通知された従業員にはAmazon内で新しい仕事を見つけるために60日の猶予が与えられ、もし猶予期間中に再雇用されなければ退職扱いとなるとのこと。また、未発表のゲームプロジェクトも開発途中で中止されたとKotakuは報じています。

Amazon Game Studiosは、2014年に独自のゲーム開発・販売部門として設立されました。2016年、Amazonはリリース予定のタイトルとして、植民地時代のアメリカをテーマとしたサバイバルMMORPGの「New World」や、ゲーム実況プラットフォームのTwitchを使った視聴者参加型の多人数シューティングゲーム「Cruicible」、古代ローマを舞台にしたMOBA「Breakaway」を以下のムービーで発表しました。

Amazon Game Studios Unboxing: Crucible, New World and Breakaway - YouTube

しかし、2019年末にリリースされる予定だったBreakawayは2018年3月31日に開発が中止されてしまいました。また、Amazon Game Studiosに引き抜かれた「Far Cry 2」のディレクターだったクリント・ホッキング氏や「Portal」のリードデザイナーを務めたキム・スウィフト氏がゲームの完成を待たずに退社するなど、Amazon Game Studiosは必ずしも好調とはいえなかった様子。

Amazonの広報担当者はKotakuの取材に対して「Amazon Game StudiosはNew WorldやCrucible、さらに未発表の新プロジェクトの開発を優先できるように、チームの一部を再編成しています」と大規模な人員整理があったことを認め、「一連の人員整理は定期的なビジネスプランニングサイクルの結果であり、長期的な優先順位に合わせてリソースを調整しているものです。私たちはこうした変化によって影響を受けるすべての従業員と密に連携し、彼らがAmazon内で新しい役職を見つけることを支援しています」と述べました。