Square Enix

日本のゲーム大手スクウェア・エニックスが、自社ゲームライブラリのサブスクリプション(定額制サービス)やストリーミングサービスを検討していることが報じられています。スクウェア・エニックスの元になったスクウェアの設立(1986年)から33年、エニックスの設立(1982年)から36年が経過し、その間に蓄積されたゲームのライブラリは莫大な数に上ります。

海外ゲームメディアGameinformerのインタビューに対して、同社の松田洋祐社長はこうしたライブラリをデジタル(パッケージではないダウンロードなどの形態)で利用可能にして欲しいとの要望に耳を傾けていると答えています。

松田社長によれば、「メジャータイトルについては、大部分は今でもプレイできるバリエーション(移植やアレンジもの)があります。一方で、ファミコンゲームのような古いタイトルに関しては、プレイ可能とするために苦労しているところです。そのために社内に移植プロジェクトを立ち上げ、様々なプラットフォームで利用可能とすべく取り組んでいます。将来的にはその成果をサブスクリプションかストリーミングサービスでお目にかけたいということで、自社の専用配信チャンネルを作る可能性を模索しているところです」とのことです。

本プロジェクトにとって最大の障害は、最初期のゲームのコード(ソースプログラム)のうち、何本かが見つからないということ。松田社長は「認めるのは恥ずかしいのですが、場合によっては、コードがどこにあるのか分からないことがあります。時には見つけることが非常に難しい場合もあります。お客さんに、なぜこのゲームを発売しないの?と訊かれることもありますが、(コードが)どこに行ったか分からないというのが真相なんです」と語っています。

どのタイトルが行方不明か具体的には触れられていませんが、探す難しさは述べられています。あるケースでは、辞職した開発者が自分のPC内にコードを持って行ったこともあったものの、無事に発掘されて復元できたそうです。


「スクエニゲームぜんぶ配信」が実現するとして、莫大な同社の過去ライブラリのうちどこまでがカバーされるのか。PCゲーム時代のエニックスの「マリちゃん危機一髪」(野球拳ゲーム)は入るのか、坂口博信氏が女の子の瞬きするアニメーションのドットを一つ一つ入力した「ウィル -ザ・デス・トラップII-」は含まれるのか。版権ものでもある「Dr.スランプ アラレのジャンプUP」はどうするのか......と興味は尽きませんが、続報を待ちたいところです。