農水省は11日、2019年産温州ミカンとリンゴの予想生産量と適正生産出荷見通しを公表した。目標となる適正生産量は、ミカンが78万トンで最低水準だった前年の見通しから6万トン減り、とりまとめを始めた01年以降で初めて80万トンを下回った。リンゴは80万トンで同1万トン減とした。両品目の面積の減少傾向が続いており、生産基盤の確立が急務の課題だ。

 近年の国内外の消費動向や作況見通しを考慮し、生産や出荷の目安として適正生産量や適正出荷量として策定。前年までは需要量を示していたが、需要動向が多様化しており、「分かりにくい」(園芸作物課)として今年から非公表とした。ただ、同省は、需要量を食料需給表などを基に算出、両品目とも81万トンと想定しているとみられる。

 ミカンの予想生産量は、19年産が裏年傾向なことや結果樹面積の減少を踏まえ、適正生産量と同じ78万トンを見込む。適正生産量から農家の自家消費分などを除いた適正出荷量は5・3万トン減の70・2万トン。うち生食用で65・2万トン、加工原料用が5万トンとした。

 リンゴも結果樹面積の減少を踏まえ、予想生産量は1万トン減の80万トンとした。適正出荷量は0・5万トン減の72万トンとし、生食用62万トン、加工原料用で10万トンとした。

 同省は、見通し策定に当たり、嗜好(しこう)など消費動向を重視し、「高品質果実の生産出荷が重要」と明記した。見通しを受け、全国果実生産出荷安定協議会(全果協)は13日にミカン、14日にリンゴの県別配分量を決める。