エステティシャン・鍼灸師として豊富な経験を持つ森田真理先生。女性ホルモン研究家でもあり、不妊や産前・産後ケア、生理トラブル、更年期障害といった女性特有の症状に特化して治療をされています。今回は“運動する人は生理痛が軽い”説は本当なのか、聞きました。

適度な運動はホルモン分泌に好影響

“運動する人は生理痛が軽い”説、聞いたことありませんか?これって本当なんでしょうか、真理先生?

「論理的には、消費エネルギーと摂取エネルギーを較べた場合、摂取エネルギーが上回ってしまって消費エネルギーが少なくなると、30代半ばの前更年期や、更年期後に一気にホルモン量が低下します。運動していない方のほうがそうなりやすいですね」

なるほど、きちんと理由があったんですね。

「運動のレベルにもよりますけどね。過剰な運動も無排卵の原因になりますが、適度な運動であれば、生理痛が軽くなるのは本当です」

“運動しすぎ”、逆に“運動しなさすぎ”も、ホルモン分泌に悪影響を与えるようです。

生理痛の緩和には、股関節を柔軟に

「二つ目の理由としては、一定のリズムで運動するとセロトニンが分泌されるので、痛みが和らぐんですね」

“幸せホルモン”とも呼ばれるセロトニンには痛みを抑制する働きもあるため、分泌されると生理痛もおさまるのです。

「運動することによって骨盤の中の血行もよくなりますから、子宮の中のうっ血が取れて、生理痛が軽くなります。やはり生理痛がある人って、だいたいの方がデスクワークをしているんですね。デスクワークをして体を動かさない時間が長いと、骨盤の中がうっ血しやすくなるので、生理痛を訴える方がすごく多いんです。なので筋肉を動かしたり、股関節を緩めたりするといいですね」

「股関節が硬い人も、生理痛がひどいんですよ。骨盤は閉じたり開いたりしていて、生理前はどんどん開いていくんですけれども、股関節が硬いと骨盤の開閉がうまくいかないので、生理痛がひどくなると東洋医学では考えています。運動している人は、股関節が軟らかいですからね」

わかりました!いろいろな理由がありますけれども、“運動する人は生理痛が軽い”説は正しいということでしょうか。

「実際、正しいですね」

トレ女にはうれしい結論が出ました!そして、まだ運動していない人は、軽いストレッチから始めるなど、生理痛対策のために運動を取り入れるのはオススメです。ただし、いずれにしても、しすぎにはくれぐれも注意して、適度な運動を続けましょう。

ライター:沢田聡子

監修:森田真理/Mari鍼灸Salonオーナー。痩身・美容鍼灸家として人気が高い。オリジナルブランド「ぎんざ美人灸」を持つ。

参考サイト:東邦大学医療センター 大森病院 臨床検査部 幸せホルモン「セロトニン」