腕時計もクルマも好きな斉藤由貴生です。私は、現代のおかしな消費を変えるために実践を重ねながら、いろいろ研究してきました。私は30代のいわゆるバブルを全く知らない世代です。所有欲の薄い世代とは言われますが、私の場合は、むしろ価値あるものは我慢せず所有したいと考えています。そんな私の価値観を、不定期ですが披露したいと思います。

◆第21回 価値がある中古=老舗ブランドと考えよう

 今回は、ざっくり「中古」と言ったところで「どのようなモノに価値があるのか?」を、わかりやすくお伝えしましょう。

 簡単なのは、世界中にファンが多い老舗ブランドです。腕時計、家具、洋服、カバン、貴金属、車、オーディオ、楽器などなど、様々なモノに歴史があるブランドが存在します。それほど詳しくない分野もあるかもしれませんが、詳しくない人でも「どこかで聞いたことがある」というブランドは本物であり、間違いなく価値のあるモノです。

 売るという視点ならば、買い手が多いほうが断然有利です。質屋さんを覗いていただきたいのですが、店内には様々なブランド品が並んでいます。あれこそ価値のあるモノです。

 もちろん、すべてのブランド物をいきなり買うというのは無理でしょうし、やみくもに価値がわからないまま揃えると失敗します。最初に買うべきは、自分が最も興味のあるカテゴリーです。

 ファッションが好きなら、腕時計やカバンなど。インテリアが好きなら家具など。パソコンだって、アップル製品は世界中の人から愛されているブランドですし、カメラだってそう。さらに、私は楽器はやりませんが、ギターにもギブソンやフェンダーといった老舗のメーカーが存在し、音楽が好きな人は強いこだわりすら持っています。なぜなら、本当にいい楽器は音が違うのだそうです。たとえ中古だとしても、本物ですから、愛好家は高くても欲しがるのです。

 あなたが興味ある分野でそのアイテムを買おうとする場合、まずは中古品を検索してみてください。欲しいと思っていたその価値の高いアイテムが新品価格より安く売られています。そのような買い物を続けることで、価値の低いモノを買うのを必然的に躊躇するようになります。これによって、浪費もなくなり、節約できるうえ、実利も生まれてといいこと尽くめなのです。

◆安いから中古品を選ぶ× 新品と使用上差がないから中古品を選ぶ〇

 とはいえ、中古を買うことが得であるということをこれだけ説明しても、中古を嫌がる人が多いのも事実。実際、そういう私も最初から中古に抵抗がないわけではありませんでした。しかも、私は親しい人から潔癖と言われるほどの性格です。にもかかわらず、中古品を買っているのは、大体の中古品が新品と大差がないからです。

 例えば、「臭い」とか「汚い」というのを我慢して「安いから」という理由で中古を使うのは絶対に嫌ですので私も買いません。靴の中古品は避けます。しかし、避けるのはそれぐらい。その他の中古製品は、汚いモノはありません。中古の家具だってちゃんと綺麗にメンテナンスされて売られています。

 私はよく人に中古車を勧めるのですが、中古車にすら抵抗のある人が多いのですね。しかし、私が所有するピカピカの高級車が実は120万円(2016年当時に乗っていたクラウン)ということや、それがなんら問題なく乗れていることを説明すると、大抵は納得して中古車を買ってくれます。

 常識にとらわれて、選択肢を狭めてしまうのはもったいないと思います。

【斉藤由貴生】
1986年生まれ。日本初の腕時計投資家として、「腕時計投資新聞」で執筆。お金を使わず贅沢する「ドケチ快適」のプロ。腕時計は買った値段より高く売却、ロールスロイスは実質10万円で購入。著書に『腕時計投資のすすめ』(イカロス出版)と『もう新品は買うな!』がある