5日のトリニダード・トバゴ戦で森保一監督は就任以来、初めての3バックを試した。3センターバックの右に入った冨安健洋はこのシステムをどう見たのか。

冨安は「思っていたより悪くはなかった」と振り返った。冨安は自分が福岡に在籍した時代に「押し込まれて後手に回ってうまくいかない」「ずっと押し込まれて単調なロングボールを蹴ることになった」という経験があるという。

だがこの日の3バックは「ある程度前から(プレスに)いくところは行けた」「縦パスにもしっかりプレッシャーをかけられた」と、「ポジティブに先につながる試合だった」と前向きに捉えた。ただし、「最悪なケースではなかった」と厳しい自己評価も忘れていなかった。

そもそも森保監督は3バックをどう捉えているのか。

過去の記者会見で森保監督は3バックを「サイドの幅(68メートル)の使い方」が違ってくると語っていた。「攻撃において高い位置でプレーできる。守備では横の揺さぶりに対してサイドに起点を作らせない」のが特長だと分析していた。

確かにこの日はトリニダード・トバゴが日本の両サイドに起点を作って崩すことはなかった。また逆に、日本は両サイドにしっかりとした起点を作った。

だが、相手が3トップにしたとき日本は酒井宏樹、長友佑都ともに守備ラインの近くまで戻ることになり、攻撃に割ける人数が減って苦しんだ。また、4バックのときに比べて守備ラインが攻撃の基点になることも少なかった。

冨安は守備を「90分間を通して前から守備にはいけないので、みんなで話をしながらやっていくしかないと思います」と言い、攻撃においては「ボールを受ける前のポジショニングで工夫しなければいけなかった」と課題を挙げた。

冨安の話を聞く限り、まだまだ改良の余地は大幅に残っている。だが、1月のアジアカップでは4バックだけで戦い敗れたという事実もある。戦術の幅を広げることはアジアを勝ち抜く上でも、ワールドカップで活躍するためにも必要な要素だと言えるだろう。今後のシステムの成熟と選手の早急な相互理解が求められている。

【テキスト:森雅史/日本蹴球合同会社、撮影:岸本勉/PICSPORT】

▼ 冨安健洋

(撮影:岸本勉/PICSPORT)


▼ 冨安健洋

(撮影:岸本勉/PICSPORT)


▼ 昌子源、冨安健洋、畠中槙之輔

(撮影:岸本勉/PICSPORT)


▼ 畠中槙之輔、昌子源

(撮影:岸本勉/PICSPORT)



(撮影:岸本勉/PICSPORT)



(撮影:岸本勉/PICSPORT)


▼ 堂安律

(撮影:岸本勉/PICSPORT)


▼ 堂安律

(撮影:岸本勉/PICSPORT)


▼ 中島翔哉

(撮影:岸本勉/PICSPORT)


▼ 中島翔哉

(撮影:岸本勉/PICSPORT)


▼ 中島翔哉

(撮影:岸本勉/PICSPORT)


▼ 森保一監督

(撮影:岸本勉/PICSPORT)


▼ 昌子源

(撮影:岸本勉/PICSPORT)