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米商務省によるエンティティーリスト(政府の承認なしに米企業との取引を禁止されたブラックリスト)入りにより中国ファーウェイを取り巻く状況が厳しくなっているなか、同社がSDアソシエーションから除名されたことが明らかとなりました。今後の同社のスマートフォンでは、microSDカードが使用できない可能性があります。SDアソシエーションは、SD製品の規格を管理する非営利団体。その管理対象にはフルサイズのSDカードからスマートフォン向けのmicroSDカードまでが含まれており、それらカードを読み込むポートデザインにも及んでいます。本協会のメンバーでない企業は、正式にSD規格をうたった製品の製造および販売はできません。

現在、ファーウェイの名前はSDアソシエーション加入企業のリストから削除されています。海外Android情報サイトAndroid Authorityは、同協会から「米商務省がファーウェイをエンティティーリストに入れた最近の命令を順守している」との声明が得られたとのことです。

さらにAndroid Authorityがファーウェイに連絡を取ったところ、広報担当者は「販売済みのスマートフォンではmicroSDは動作します」と回答。将来のデバイスが影響を受けるかどうかを確認すると、コメントを控えたと伝えられています。

ファーウェイはMate 20シリーズなどハイエンドモデルには独自規格のメモリカード「NMカード」を採用しており、それらのデバイスについては影響はないと思われます。当時はなぜ独自規格? と不思議がられましたが、米政府の動きを見越しての対応だったとも推測されます。

そして、SDアソシエーション除名が確認された直後、Nikkei Asian Reviewが2つのさらなるニュースを報道しました。1つは無線LAN製品の規格を管理する業界団体Wi-Fi Allianceが、ファーウェイの参加を「一時的に制限した」と表明したこと。

もう1つは、半導体技術の標準化を進めるJEDECが「2019年5月17日、ファーウェイはJEDECに対し、米政府による制限が解除されるまで自発的にJEDECへの加盟を停止することを決定したと通知した」と述べたことです。

これら3つの動きは、ファーウェイが標準化団体から排除されつつあることを意味しています。米政府によるファーウェイ包囲網は、いっそう狭まっていくのかもしれません。
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