今回はジョーシン浦和美園イオンモール店を訪ね、エアコンの売れ筋を取材しました。エアコンは「熱帯夜が数日続くと、スイッチが入ったように売れ行きが伸び出す」とよく言われます。記録的な猛暑だった2018年は、5月中旬の時点ですでにスイッチが入っていて売り上げが伸びていましたが、まだ5月なのに各地で猛暑日を記録している今年も要注意といえます。

同店で季節家電を担当する富永拓真氏は「本格的に暑くなる時期は工事業者の仕事が詰まっていて、取り付けが2週間先になることもザラにあります。昨年のピーク時は1カ月待ち、ということもありましたから。増して、今年は10月に消費増税が控えているので、今夏にエアコンを買い換えようと考えている人が多いと予想されます。スムーズに新調するなら、混み合う前の今のうちが狙い目です」とアドバイスします。

そうした情勢を踏まえて、エアコン購入のポイントを3つ挙げてもらいました。

全部屋のエアコンが正しく動作するかを確認するため、いまのうちから試運転を。修理や買い替えの判断も6月までにするのが理想。

取り付け時に物理的な干渉に気づくことも。部屋のエアコンをスマホカメラで撮ってから来店するのがお勧め。

10年使うことを想定し、年間の電気代目安もプラスして価格を比較すると納得感が高まるかもしれません。

使用頻度と畳数の大きいリビング用は各社のハイエンドシリーズの人気が高く、部屋が小さくなるにしたがって売れ筋のグレードが下がっていくそうです。では、同店の売れ筋ランキングトップ5を見ていきましょう。

※原稿と写真で掲載している価格は、2019年5月23日14:00時点のもの。日々変動しているので、参考程度に見てください。

○第1位:加湿もできて夏もタフな「うるさら7」

一番人気は、ダイキン工業のルームエアコンではハイエンドとなる「うるさら7(Rシリーズ)」です。給水なしで加湿もできる独自機能があり、AIによって快適な温度と湿度を保ちます。14畳タイプ「AN-40WRP」の価格は税込み27万8640円(工事費込み、以下同)。

冬場も見越して加湿機能を重視する人に人気がありますが、同社のエアコンは夏場の信頼感が高い点がヒットを後押ししているようです。「室外機の周辺が43度を超えていても、冷房のパフォーマンスが落ちにくいと評判です。それを評価し、ずっとダイキン製エアコンを指名買いする人も多いですね。そのうえで、オンリーワンの加湿機能が付いているということで、よく指名買いされます」

○第2位:多機能&手間いらずな「エオリア Xシリーズ」

続く2位は、パナソニック「エオリア」の上位シリーズ「エオリア Xシリーズ」。19年モデルは、エオリアAIが空気の汚れを先読みして清浄し、内部と室内のカビを見張る機能を備えるなど、多くの強化ポイントを備えています。14畳タイプ「CS-X409C2」の税込み価格は23万5440円。

「エコナビも使えますし、多彩な機能を備えていると評判です。そのうえ、フィルター掃除のゴミは室外機へ自動排出してくれるので、定期的に取り出す手間もかかりません。長らくメンテナンスフリーで使える点を気に入って選ぶ方も多いですね」

○第3位:自動運転の質の高さに定評のある「霧ヶ峰 Zシリーズ」

3位には、三菱電機の「霧ヶ峰」の上位シリーズ「霧ヶ峰 Zシリーズ」がランクインしました。360度センシングできる赤外線センサーとAIを使った「ムーブアイmirA.I.(ミライ)」により、住人の体感や窓からの日射熱、アイロンや料理の熱などを把握して自動運転するのが特徴です。14畳タイプ「MSZ-ZW4019S」の税込み価格は23万1984円。

「自動運転のきめの細かさを好む人が多く、『うるさら7』に匹敵するほどよく指名買いされます。工事業者の間で『霧ヶ峰はとりわけ故障が少ない』と評判で、それも人気を後押ししていますね」

○第4位:凍結洗浄機能で昨年から急伸中の「白くまくん Xシリーズ」

4位は、日立製作所の「白くまくん Xシリーズ」。フィルターだけでなく、内部の熱交換器やファンも自動洗浄する機能「凍結洗浄ファンロボ」が2018年モデルから高く評価されているシリーズです。14畳モデル「RAS-X40J2」の税込み価格は24万6240円。

「熱交換器やファンを凍らせて霜を作り、それを溶かすことでホコリを洗い流す仕組みです。とりわけ、空気の綺麗さを重視する人に注目されています」

○第5位:小部屋用低価格モデルが一番人気のダイキン工業「Eシリーズ」

これまではリビング向けの上位クラスが並んでいましたが、5位には小部屋向きで人気のスタンダードタイプが入りました。ダイキン工業の「Eシリーズ」で、6畳タイプ「AN-22WES」の税込み価格は7万5384円です。フィルター自動掃除機能やセンサーなどは非搭載ですが、光速ストリーマや空気洗浄フィルターは備えています。

「寝室はホコリが舞いやすいので、フィルターの自動掃除機能が付いていたほうが長い目で見ると効率がいいですね。ただ、小部屋用は複数台をまとめて購入するケースがままあり、トータルコストをなるべく抑えたいという方が多いです。そうやって割り切るなかでも、室外機の評価が高いダイキン工業のモデルが人気ですね。リビング用と小部屋用でメーカーをそろえたいという人も多く、『うるさら7』人気の影響もあると思います」

○はみ出し情報……薄さとスタイリッシュさでダイキン工業「risora」もヒット!

トップ5には入りませんでしたが、ダイキン工業のコンセプトシリーズ「risora(Sシリーズ)」も、寝室や子ども部屋用を中心にジワジワと人気が高まっています。奥行きを185mmに抑えたスリムな作りで、5色のカラーバリエーションから選べるところがポイントです。6畳モデル「AN-22WSS」の税込み価格は14万9040円。

「設置スペースが限られるエアコンは、前に張り出すことで高機能化に対応します。付け替えたときに圧迫感を感じるという人もいるため、risoraのスリムさが喜ばれています。カラーも個性的なので、デザイン家電的な視点で選ばれる方も少なくないですね」

著者プロフィール古田雄介

フリーランスライター。『アキバPick UP!』(ITmedia PC USER/2004年〜)や『売り場直送! トレンド便』(日経トレンディネット/2007〜2019年)などのレポート記事を手がける。デジタルと生老病死のつながりにも詳しい。著書に『死とインターネット』(Kindle版)、『ここが知りたい! デジタル遺品』(技術評論社)、『故人サイト』(社会評論社)など。