5月20日からATPカップ国別ランキングの発表が始まった。これにより、来年1月にオーストラリアにて初開催となる、24ヶ国による国別対抗戦ATPカップ出場を狙う国と選手たちの順位を、随時確認できるようになる。


初発表の現ATPカップ国別ランキングでは、セルビアとスペインが上位2か国となった。同ランキングは、ATPランキングにおける各国上位シングルス選手の順位をもとに作成されており、セルビア人選手ノバク・ジョコビッチが12355ポイントで現在1位、また、スペインのラファエル・ナダルが7945ポイントで2位に付けている。

このATPカップの暫定順位はあくまでプロモーションの一環で、2020年初開催の同大会出場権をかけた争いを、ファンを巻き込んで盛り立てていく狙いだ。出場の可否はランキングに応じた各選手の参加申し込み次第であり、9月13日の18出場チームを決める締め切りと、残り6チームを決定する10月13日の締め切り合計2回の期日までに申し込みをする必要がある。


ATPカップ国別ランキングは毎週月曜日のATPランキング発表と同じく発表され、ATPカップに出場する選手が、誰になりそうか毎週ファンに伝えていく。


「ATPカップ国別ランキングがこのように発表されるようになり、選手たちもワクワクしている。出場権をかけた各国の戦いを目の当たりにするのはとても興味深い。ファンの皆さんも、毎週どの国が出場できそうか、そしてそれぞれのチームにはどの選手が加わる可能性があるのか、知ることができるのです。」とATPチーフプレイヤーオフィサーのロス・ハッチンス氏は語った。


ATPカップ国別ランキングにランクインするには、その国に2人以上のATPシングルス・ランキング保持者、更に最低でもあと一人シングルスまたはダブルスのランキングを持つ選手が在籍している必要がある。それぞれの国は最高5人までチームメンバーとして登録できる。チームの人数が5人の場合は、そのうち最低でも3人がATPシングルス・ランキングの所持者でなくてはならず、4人以下の場合は2名が同ランキングを保持していなければならない。今回発表が開始されたATPカップ国別ランキングでは、ウェブサイト上で国名をクリックすることで、その国の代表になりうる選手をチェックすることができる。


9月13日時点での上位18国が、1,500万USドル(約16億5千万円)の賞金と、ATPランキング・ポイントが用意されるこのトーナメントの出場権を獲得し、10月13日の第2締め切り日には6チームが追加される。


24の参加国は4チームごとの6グループに分けられ、2グループごとがそれぞれパースとブリスベン、そしてシドニーの3開催都市へと振り分けられる。各開催地で総当たり戦が行われた後、各グループの勝利国全6チームに2位国のうちの優秀国2チームを加えた、全8チームがシドニーで行われる最終トーナメント、ノックアウト・ステージへと進む。


最初の締め切り日に参加権を得る18か国の、シングルス・ランキング上位2選手が参戦する資格を得て、それぞれの国の残りのメンバーは2回目の締め切りの際のランキングに応じて決定される。


パースのRACアリーナ、ブリスベンのパット・ラフター・アリーナ、そして5,000万AUドル(約38.5億円)をかけた改築が予定されているシドニー・オリンピック・パーク内のケン・ローズウォール・アリーナが試合会場となり、シドニーは2022年までノックアウト・ステージの提供を確約している。


それぞれのラウンドは3セットマッチのシングルス2戦と、ATPツアーの形式(ノーアド・ 第3セット10ポイントマッチタイブレーク方式)を採用したダブルス1戦の全3戦行われる。コート上でのコーチングは、コートチェンジとセットブレイク時にのみ許される。


ちなみに、開催国であるオーストラリアが最初の締め切り日に参加権を得られなかった場合は、ワイルドカードが与えられ、それにより第2締め切りの際に追加される参加国は5か国となる。


デビスカップとレーバー・カップに続く新しい団体戦であるATPカップは、賞金のみならずATPのランキング・ポイントが獲得できるところが他2試合とは大きく異なる。シングルス選手にはATPランキング・ポイントが最大で750ポイント与えられ、ダブルス選手の場合は最大250ポイントを獲得することができる。 シングルスの場合は試合勝利ごとランキング・ポイントが与えられ対戦相手のランキング順位も加味されるがダブルスの場合は試合勝利ごとのポイントが得られるのみとなっている。


また、プロテクト・ランキング保有選手も、大会開催時にそのランキングが有効であるという条件をクリアすることで、ATP出場権を得ることができるため、現在プロテクト・ランキング2位であるイギリス人選手アンディー・マレーもATPカップに出場できる可能性がある。現在イギリスはATPカップ国別ランキング第3位につけているため参加国となる可能性は極めて高い。マレーがチームの一員になれるのかどうか注目の集まるところだ。


(1USドル=約110円。1AUドル=約76円。2019年5月20日時点)


Photo by Clive Brunskill/Getty Images


ATP翻訳ニュース/ATPTour.com