ファミリーレストラン「ガスト」が導入したひとり客用のボックス席が、SNS上で評判を呼んでいる。

席は簡易的な仕切りで囲ってあり、電源を備える。店内用の無料Wi-Fiも利用可能だ。運営する「すかいらーくホールディングス(HD)」はJ-CASTニュースの取材に、導入の背景を「スマホを見るなど自分の時間を過ごしたり、仕事をされたりする方の来店が増えているため」と話す。

SNSで9万人超「いいね」

「もはやネットカフェ」「作業がはかどりそう」――。ボックス席の利用者が2019年5月19日、ツイッターに席の写真とともに感想を投稿すると、9万5000「いいね」(23日現在)と大きな注目を集めた。

ボックス席は四方に簡単な仕切りがあり、まるで図書館の自習スペースや漫画喫茶のボックス席のような見た目だ。出勤前の早朝に東京・赤坂見附店の個室席を利用した30代男性は「混雑してきてもほかの客を気にしなくて済むのが嬉しい。最初は窮屈そうな印象を受けたが、パソコンを開いて作業でき、足も伸ばせた」と話す。

すかいらーくHDの広報は21日、取材に対し、導入の背景を「食事だけでなく、スマホを見るなど自分の時間を過ごしたり、仕事をされたりする方の来店が増えているため」と話す。

「空白時間」の売上向上が狙い

同社は2013年から、時代に即した店舗作りを目指す「リモデル戦略」に取り組む。カウンター席やミーティングルームなどを導入し、ボックス席もその一環だ。17年から試験的に始め、18年から本格導入した。現在、東京、神奈川、埼玉のガスト22店舗とファミレス「ジョナサン」の一部店舗で、複数人向けの席とともにボックス席を用意する。

従来のメインターゲットである家族連れに加え、ビジネスパーソンや学生などを取り込むことで、「空白時間」になりやすい朝やティータイムの売上向上を狙う。

「お一人でお越しいただいても気兼ねなくご利用いただけて、かつプライベート空間が確保されているので、作業することだけでなくお食事という目的でもかなりご支持を頂いています」(広報)

ボックス席の導入店舗は、今後拡大する予定だとした。

(J-CASTニュース編集部 谷本陵)