最近はかなり減ってきたがそれでも悪徳業者は存在

 中古車にはメリットが多くあり、いい買い物をすれば、満足度は新車以上のこともある。ただし反対もしかりで、失敗すると大変なことに……。実際、中古車を買う際「じつはハズレなんじゃないか」という不安を抱く人も少なくないだろう。最近では第三者機関による査定を取り入れるなど、さまざまな施策が取り入れられているため、昔ほど悲惨な話は聞かれないが、絶滅したわけではないというのもまた事実。歴史に学べ、ではないが、いままでの取材で見聞きしたハズレ事件簿を紹介しよう。

1)「修復歴あり」を隠して販売

 なんといっても多いのが、事故車だったというもの。「修復歴あり」というのは骨格に関係する部分を直しているのが該当するが、そこまでいくと走りに影響する。

 そのため修復歴ありであることを隠しているパターンだ。最近はオークションを通過すると査定履歴が残るので隠すのは難しくなってきているが、それでもいまだ存在する。

 また、取材でよく聞くのが「事故車でもしっかり直していれば問題なし」という言葉。確かにそうなのだが、そういいながら結局直していないことも……。

2)走行距離偽装

 車検証に記載されるようになってかなり減ったとされているが、これが盲点。車検証に記載されるのは全履歴ではなく、過去2回分のみ。方法は詳しく書かないが、ごまかした車検証を作ることは可能。また、巻き戻しはいまでもできるし、そういった作業を行う業者も存在する。

3)適当な板金塗装

 あとになってわかるのが、ごまかしの補修。厚盛りパテで適当に直したり、サビで穴があいたところをアルミテープを貼って塞いで、その上にパテを盛って誤摩化してあったなんていう話も。また所定の場所を溶接で止めていないなどもけっこうある。

 ちなみに現行車の補修は、衝突安全性確保のためにメーカーからのマニュアルに従ってやるのが鉄則なのだが、溶接が適当だと安全性も落ちることに。板金塗装業界の人手不足も作業の適当さに拍車をかけている。

4)真っ直ぐ走らない

 なにかと理由を付けて試乗させてもらえず、買ったあとで気がついて泣き寝入りというのがこちら。なにもしていないのに右や左に流れていくのが多いが、原因としてはすでに紹介した事故から適当な修復や、縁石などにヒットしたなど。やはり試乗はできるだけしたい。

購入時と納車時で仕様が異なっている!

5)窓に油が注入されている

 サイドのパワーウインドウの動きが渋いのを誤摩化そうと、すきまからオイルを注入。最初は気がつかなかったが、何度もやるうちに内部のオイルが広がったようでガラスが油で曇り、発覚。

6)買う前と納車後で装備が違う

 契約前の現車確認では付いていた装備が納車されたらなかったというのもあるし、さらにわからないように、付いてはいるけど、別の安いものになっていたなんていうことも。外した高いものはネットオークションなどで販売。また修理に出したら、高価なパーツが換えられていたという、強烈な事例もあり。

7)エンジンまわりから異音

 試乗ができなくも、エンジンをかけてチェックをすることが重要などと言われるが、エンジンには特殊な添加剤を大量投入してあり、一時的に静かに。鳴いているベルトは潤滑剤をスプレーすればほどよく滑って音は消える。また、ギシギシ音が出ているインパネにも潤滑スプレーが効く。もちろん買ってしばらくすると、音が再発。

8)融雪剤でボロボロ

 雪国を走っていたクルマが流れ流れて、非雪国にやってくることがある。雪国を走っていると、下まわりが融雪剤でボロボロになることがあるが、その上からシャーシブラックを吹いておけばとりあえず隠せる。車検時などにリフトアップしたら、なんかモコモコしているということで爪で削ってみたらポロポロと剥がれ、中から真っ赤なサビが出てきたなんていうこともあり。