大久保が復活の完投勝利!東海大福岡が唐津商に快勝1失点完投勝利を挙げた大久保啓(東海大福岡)

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 元号変更に伴う大型連休の最終日、東海大福岡高校グランドでは東海大福岡、唐津商、南筑の3チームによる練習試合が行われ、第1試合では、東海大福岡と唐津商が対戦した。

 東海大福岡と言えば、2017年の選抜甲子園で清宮 幸太郎(日本ハム)を中心とした早稲田実業などを下してベスト8に進出したことが記憶に新しい。当時は、軟投派の安田 大将(関西国際大)と速球派の佐田 健介(九州産業大)という二枚の好投手を擁しており、当時の印象から東海大福岡の投手育成には良いイメージを持っていた。

 そしてこの日先発した大久保啓も、非常に球にキレのある好投手であった。 サイドスローに近いスリークォーターから、目いっぱい腕を振れるところが特徴の右腕で、その投げっぷりは同じ東海大系列の先輩にあたる青島 凌也を思い出すものがあった。 大久保は試合後に、「決して調子は良くなかった」と語ったが、調子が良くない中でも丁寧に投げることが出来たところは収穫なのではないだろうか。

3番の坂本勇人(唐津商)

 また、その大久保とバッテリーを組む藤木貫太も、非常に魅力的な捕手であった。インサイドワークが優れており、シートノックでのセカンド送球は1.94秒を記録する強肩も披露。打っては5番として、腰の座った打撃で安打を放ち、高い総合力を持った捕手であることを示した。

 大久保は、秋も春もフォームを崩して登板がなく、また藤木も春は怪我で欠場していた。秋季大会、春季大会とベスト16で敗退している東海大福岡であるが、この2人の戦線復帰は非常に心強いだろう。 東海大福岡の杉山繁俊監督にとっても、夏に向けて手応え試合となったはずだ。

 唐津商に目を移すと、3番で捕手を務める坂本 勇人が面白い。読売ジャイアンツの坂本 勇人選手と同性同名であるところにまず目がいくが、高いミート力にもすぐに目が止まった。 右打ちである坂本の打撃フォームは、右肘をグッと上げるやや癖のあるものだが、トップを作ってからのメカニズムに問題はない。この日は、好投手の大久保から2本のヒットを放ち、キレのあるボールへの対応力を発揮した。

 試合は、4回表に坂本のタイムリーで唐津商が先制したが、その直後の4回裏に東海大福岡は2本タイムリーヒットなどで4点を挙げて一気に逆転。5回にも2点を追加した東海大福岡は、そのまま6対1で勝利した。 両校ともに上位進出できる戦力がありながら、秋季大会、春季大会とベスト16止まりとなっている。夏までにチームを仕上げて、上位進出、そしてその先にある甲子園の舞台に進んで欲しい。

(取材・写真=栗崎 祐太朗)