狛江市の農家、須田和男さん(70)は、タカと共に農地を守っている。園地に設置した止まり木から作物を荒らす侵入者を監視。タカの飼育を始めてからは、野菜やブルーベリーの生産で鳥害や猫のふん害を気にする必要がなくなり、須田さんのストレス軽減にもつながっている。

 須田さんは庭先販売をメインに、多品目の野菜とブルーベリーを栽培している。7月上旬〜9月下旬は生のブルーベリーを販売。9〜12月は冷凍にしたブルーベリーを取り扱う。野菜を含め、地域の消費者の予約だけで完売する日があるほど人気だ。

畑に止まり木 鳴き声で撃退


 これまで、カラスなど鳥による収穫直前のトマトやキュウリの食害が止まらず、猫のふん害にも困っていた。以前から関心があったタカを農地のそばで飼育することで、「被害が軽減するのではないか」(須田さん)と考えた。

 5年前にタカ(ハリスホーク)を35万円ほどで購入し、飼育を開始。温厚な性格で人に懐きやすく、須田さん以外の人と一緒にいても危害を加えることはないという。

 タカは、鳥小屋から出して農地に設置した止まり木につなぎ、番をさせるのが日課だ。タカが2、3分、危険を察知した鳴き方をすると、農地にいた猫や上空の鳥が去るほど、効果はてきめん。カラスなどが向かって来るまで攻撃することはなく、抑止力が強い。過去には、近隣の農家の鳥害を防ぐため、試験的にこのタカの鳴き声を録音し、農地で再生。1週間ほどは鳥害が止まったという。

 須田さんはタカを放つときは、できる限り日の出や夕方など、人通りが少ない時間帯を選び、地域住民を驚かせないように配慮している。最近では、近隣の保育園児や幼稚園児らが散歩中に須田さんの農地に寄り、迫力あるタカが飛び立つ姿や戻ってくる姿を見学するなど、地域住民との触れ合いの場にもなっている。

 須田さんは「タカはパートナー。タカを危険だと思っている人は多いだろうが、忠実で誠実な素晴らしい生態をもっと知ってもらいたい」と笑顔で話した。