現在の日本史の教科書には「徴用工は強制連行だった」とはっきりと書かれています。しかし、それは「真実」なのでしょうか。今回の無料メルマガ『クリエイターへ【日刊デジタルクリエイターズ】』では編集長の柴田忠男さんが、政治活動家・ジャーナリストである櫻井よしこさんが、徴用工における貴重な証言を書き記している一冊を紹介しています。

偏屈BOOK案内:『問答無用』

『問答無用』

櫻井よしこ 著/新潮社

日本はずっと前から、歴史問題で事実と反する非難を、中国や韓国から浴びせ続けられている。そして朝日新聞の事例で明らかなように、日本に対する不条理な非難のほとんどは、日本人が原因を作ってきた。日本人が日本の歴史を暗黒の侵略の歴史と見做して、捏造を盛大に盛り込んで内外に拡散してきた。

教科書がいまなお異常な暴走状態にある。著者はいま中韓両国が日本糾弾の材料にしている徴用工問題について、各社の教科書の記述をチェックした。どの教科書も、徴用工は「強制連行」だったと、まったくの虚偽を教えている。

東京書籍は日本史Aで、「大東亜共栄圏」として「約70万人の朝鮮の人々が朝鮮総督府の行政機関や警察の圧力のもと、日本本土に強制連行された」と記述している。実教出版は高校日本史Bで、「労働力不足を補うため、1939年からは集団募集で、42年からは官斡旋で、44年からは国民徴用令によって、約80万人の朝鮮人を日本内地や樺太、アジア太平洋地域などに強制連行した」とする。

山川出版社は「詳説日本史」「新日本史」「高校日本史」で各々、「数十万人の朝鮮人や占領地域の中国人を日本本土などに強制連行し、鉱山や土木工事現場などで働かせた」「朝鮮人や占領下の中国人も日本に連行されて鉱山や工場などで労働を強制された」としている。三社とも反日プロパガンダに邁進中だ。

これでは、中韓の不条理な歴史非難に反論する、正しい知識を身につけることはできない。日本を非難することが真に良心的なのだと考える若者や、日本を貶めることを生き甲斐にする人々が増加し、その負の連鎖に落ちこみかねない。安倍首相以前の日本の首相は、歴史問題で事実を発信してこなかった。むしろ、政府はなあなあで中韓のゴリ押しを受け入れてきた。歯痒いったらなかった。

著者は貴重な証言者と直接会話し、多くのことを聞いた。『朝鮮総督府官吏・最後の証人』の著者である西川清氏である。朝鮮総督府ではすべてが厳格なルールに従い、透明な形で行われた。「強制」ではなく「説得」と「納得」の手続きだった。労働条件などをきちんと説明した上で徴用工を日本に送り出した。

また慰安婦の強制連行も「絶対に」ないと断言した。当時の実情を見れば、役所や警察では多くの朝鮮人が働いていた。西川氏の上司の知事は朝鮮人だった。朝鮮の男達が強制連行を指示する命令書に、おとなしく従うなどあり得ない話だと氏は語っている。こういう貴重な証言こそ、教育の現場で伝えられるべきだが、残念ながら無理だろう。日本の小中高では自虐史観の教科書が殆どだ。

わたしは大学卒業前に、地元の強力な日教組幹部の推薦で、赴任先まで内定していたのだが、教職に必要な一科目が未履修だったという教務課のミスでパーになった。いま思うとそれは天の配剤であった。そのベルトコンベアに乗っていたら、ヘタレな左翼教師で人生を終わっただろう。不足単位は一年後に取得したが教師は目指さなかった。出版界に行ったから今日がある。

編集長 柴田忠男

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