15日から米国・ワシントンで行う方向で調整されている日米貿易協定交渉の初会合を前に、米国の有力畜産団体、全米豚肉生産者協議会(NPPC)が早期妥結するよう米国政府へ働き掛けを強めている。TPPや日欧EPAの発効で、日本市場を奪われることに危機感を募らせている。米国政府内には農業分野を先行させるシナリオも浮上しているとされ、交渉の急展開に警戒が必要だ。

 NPPCは1日、ホームページで15日に日米交渉が始まることを歓迎すると表明。トランプ政権に対し、早期に交渉を完了させ、豚肉生産者が日本市場で公平な条件に復帰できるよう促した。

 3日にはワシントンで日米貿易に関する討論会が開かれ、NPPCの幹部が出席。TPPや日欧EPAの発効で米国産農畜産物が日本で市場を失うとの懸念を示し、日米交渉の妥結を急ぐべきだと強調した。一方、TPPの市場開放水準は「出発点」とも表現。一層の開放に期待をにじませた。

 TPPは昨年12月30日に、日欧EPAは2月1日に、それぞれ発効した。直近の2月の豚肉輸入量は、それまで輸入量を抑えていた輸入業者がEPA発効後にまとめて輸入したことなどの影響で、EU産が急増。米国産のシェアが下がった。

 日米貿易協定交渉を巡っては、農業分野だけでなく自動車分野も大きな焦点となる見通しだ。

 3日のワシントンでの討論会では、米自動車政策協議会の幹部が、対日貿易赤字の8割を自動車分野が占め、日本への輸出台数が少ない現状を問題視。自国に有利な為替誘導を封じる「為替条項」導入などを求めた。