引退後のキャリアは選手によって様々だが、コロンビア代表FWラダメル・ファルカオは意外な道に進もうとしているようだ。

 3月12日付のフランス誌『France Football』のインタビューで、ファルカオは自身のセカンドキャリアについて、「野球選手を目指そうと思っているよ」と、意外な告白をした。

 2005年にアルゼンチンの名門リーベル・プレートでプロサッカー選手としてのキャリアをスタートさせたファルカオは、“エル・ティグレ(虎の意)”という愛称通り、フィジカルの強さを前面に押し出したパワフルなプレースタイルで、世界でも指折りの点取り屋として活躍してきた。

 所属するモナコでは今なお主力としてプレーし、コロンビア代表としても今月22日に日本代表と親善試合を行なうメンバーにも選出されているファルカオだが、33歳とサッカーキャリアの晩年を迎えているのは間違いなく、『France Football』のインタビューで次のように自身の将来を展望している。

「僕は、野球が大好きなんだ。ベネズエラにいた小さい頃、練習していたからね。自分で言うのも恥ずかしいけど、かなり良いレベルだよ。妻とも、その話はしている。サッカー選手としての現役生活を終えたら、野球選手のプロを目指そうと思っている」

 他のスポーツから野球選手に転向した例としては、バスケットボール界のスーパースターであるマイケル・ジョーダン氏が、1994年にシカゴ・ホワイトソックスに加入してメジャーリーグを目指したのが思い出される。

 ファルカオも、バスケットボール界の神がかつて挑んだチャレンジに触れ、「確かにそうだね! ジョーダンのようにね。バスケットボール選手だった彼は、MLBではプレーできなかったけれど、僕は野球界に転身して成功した最初の人間になりたいんだ」と、“ジョーダン超え”を狙っていると語った。

「競技を変えても、最高レベルのパフォーマンスができると思っている。真の挑戦になると思うね。でも、僕は真剣だよ」

 彼が幼少期を過ごしたベネズエラは、野球のメッカ。メジャーで三冠王となったミゲル・カブレラや元読売ジャイアンツの主砲アレックス・ラミレス(現横浜DeNAベイスターズ監督)など、多くの名手を輩出している。

 ここで運動能力を培ったファルカオにも、野球選手としてのセンスが備わっているのかもしれない。もしかして……。