岐阜県は7日、山県市の養豚場で新たに豚コレラの発生を確認したと発表した。昨年9月の岐阜市での発生から数えて、国内11例目。同日に飼養する豚1296頭の殺処分を始め、10日までに埋却と消毒を含めた防疫措置が完了する予定。この養豚場は、農水省が2月に飼養衛生管理基準の現地指導を実施し、同基準を満たしていると確認されていた。

 母豚の食欲が落ちていると養豚場から県に連絡があり、遺伝子検査を進めていた。7日早朝に豚コレラ陽性を確認した。

 過去の発生との疫学的な関連は調査中。県によると今回の発生農場は、6例目の関市、7例目の各務原市の発生農場と同じと畜場を使っていた。発生農場から1・4キロ離れた場所で、豚コレラに感染した野生イノシシが見つかっている。

 県は今回の発生を受け、発生農場から半径3キロ圏内にある2農場に移動制限、同3〜10キロ圏内の5農場に搬出制限の措置を講じた。

 県畜産課は「農場は管理基準を満たし、国の助言も受けていた。ワイヤメッシュ柵も徹底している。ウイルスがいつ侵入したのか、疫学調査の結果を待ちたい」としている。