米ロサンゼルスで行われた第91回アカデミー賞の授賞式が米ロサンゼルスであり、「ボヘミアン・ラプソディ」は、ラミ・マレックが主演男優賞に輝くなど、最多4部門を獲得しました!

オープニングを飾ったQUEENのパフォーマンスも圧巻で、会場のセレブたちは超ノリノリ。客席は総立ちになって盛り上がりました!

QUEENがアカデミー会場を「支配」した!

司会者不在で開幕した第91回アカデミーは、オープニングから異例づくし。恒例となったオープニングメッセージ「Welcome to the Oscar!」を発したのは、QUEENと一緒に舞台に登場したアダム・ランバートでした。

ブライアン・メイとロジャー・テイラーらが披露したのは「ウィー・ウィル・ロック・ユー/We Will Rock You」と「伝説のチャンピオン/We Are The Champions」の2曲でしたが、演奏が始まるやいなや、客席は超ノリノリ!

レディー・ガガが手拍子をとりながら身体を揺らし、グレン・クローズが「ロック・ユー!」の歌詞の部分でガッツポーズを取る姿が、全世界に放映されました。

さらに演奏中、バックスクリーンにフレディ・マーキュリーの姿が映し出されると、会場の興奮は最高潮に! セレブが総立ちになって大盛り上がりのオープニングとなりましたが、その様子を世界中のメディアは次のように報じました。

The Queen biopic Bohemian Rhapsody dominated the 2019 Academy Awards(クイーンの伝記映画「ボヘミアン・ラプソディ」が、2019年のアカデミー賞を支配した)domitate:支配するQueen rules! 'Bohemian Rhapsody' is the big winner at 2019 Oscars(QUEENが支配した!「ボヘミアン・ラプソディ」は2019年オスカーの最大の勝者だ)

「rule」(ルール)は、動詞で「統治する、支配する、牛耳る」という意味になりますが、スラングで「抜群、最高だ」という表現もあるそうです。

今回は、スラングっぽく「QUEENが最高だったぜ!」というニュアンスのほうが、勢いがあってしっくりくる気がします。

ちなみに、授賞式のテレビ視聴者数は前年比約12%アップで、QUEEN人気が貢献したと報じられています。ビジネス面でも2019年のアカデミー賞の主役はQUEENだったようです。

もし、フレディがいなかったら......

全世界での興行収入が約116億6888万円(2月17日時点)を突破し、記録破りの大ヒットとなった「ボヘミアン・ラプソディ」ですが、封切り前の評論家たちの評価はひどいものでした。とりわけQUEENの母国・英国での評価は低くて、「パロディ映画にすぎない」と評されていたほどです。

そんな「前評判」をあざ笑うかのように、映画の評価は日ごとに高まり、あれよあれよという間に全世界にブームが広がって、数々の賞を総ナメにしました。

とりわけ、アカデミー賞受賞のインパクトは大きく、英国メディアも「ボヘミアン・ラプソディ」に軍配をあげました。今度ばかりは、評論家の面目が丸つぶれ、といったところでしょうか。

Bohemian Rhapsody's Oscars win is a triumph over snobby film critics(「ボヘミアン・ラプソディ」オスカー受賞は、お高くとまった映画評論家たちへの勝利だ)triumph over〜:〜に対する勝利snobby:お高くとまった、鼻持ちならない

主演男優賞を受賞したラミ・マレックは、受賞スピーチで自身を支えてくれた人々に感謝のことばを述べました。

Thank you Queen... I'm forever in your debt(QUEENのお二人、どうもありがとう。永遠に借りができました)My crew and my cast - I love you. I could have never been here without you(映画クルーやキャストの皆さん、愛しています。あなた方がいなければ、私がこの場にいることはなかったでしょう)

そこで「今週のニュースな英語」は、ラミ・マレックのスピーチから「could never〜without you」を取り上げます。「あなたなしでは〜できない」「〜できたのはあなたのおかげ」という表現です。感謝の意を表したり、業績を評価したりする時によく使います。

I could never have done it without you(あなたなしではできなかっただろう)We could never have done this project without you(あなたなしでは、このプロジェクトは達成できなかった)

今回のアカデミー賞授賞式を観て、改めてフレディ・マーキュリーの存在感の大きさを痛感しました。アダム・ランバードもいいのですが、やはり、フレディの躍動感や存在感にはかなわない。むしろ、フレディの不在ぶりが際だった感があります。

「フレディがいなかったら、この映画は作れなかった」

ラミ・マレックが一番伝えたかったのは、フレディへの感謝の気持ちだったのではないでしょうか。(井津川倫子)