千葉県東金市の大木園芸は、観賞用の花ハス「手乗りハス」の苗や鉢花、その種となる「レンコン丸」を生産、販売している。「レンコン丸」はポットで根域を制限し、輪っか状に育てたもの。丸いパックに詰めコンパクトな形で流通、販売できる。園芸店や通信販売で徐々に扱いを伸ばしている。

 園主の大木正人さん(67)は、かつて植木を販売していた。現在は花ハスが専門で、趣味が高じて20年近く前から販売を始めた。小型の容器で咲かせるものを集め「手乗りハス」と名付け、茶わんバスなどの一般的な呼称と差別化している。

 栽培は、夏から秋に肥大したレンコンを、1〜3月に株分けして植え替える。「レンコン丸」の荷造りもこの時期で、出荷は2月から3月20日ごろまで続く。

 「レンコン丸」は5年ほど前から取り組み始めた。底穴のない13・5センチのポットで育てると、レンコンは輪っか状になる。ポットから出して不要な部分を切り、食品などに使うクリーンカップに水と詰めて商品とする。ふたのラベルで品種ごとの花を紹介する。

 透明な容器に入っているので、客は商品の状態を見て購入できる。店にとってはクレームやトラブルが少ないのが利点だ。

 販売の主力は苗で、これまで総売り上げの約8割を占めている。「レンコン丸」は1割にも満たないが、大木さんは「だんだん認知され、扱うところが毎年1、2社、増えてきた」と話す。今期は園芸店6社、通販4社となった。

 「手乗りハス」「レンコン丸」は大木園芸の登録商標。「レンコン丸」では作り方などで特許出願中だ。既に2品種が登録され、6品種を出願している。