職権乱用や収賄の罪に問われ、実刑判決を受けた韓国朴槿恵(パク・クネ)元大統領について、中国メディアの海外網は25日、読書家の朴元大統領の愛読書は日本の歴史小説「徳川家康」の改訂版だったと紹介する一方、この小説が韓国で23日に発禁処分となったと伝えた。

 「徳川家康」は小説家・山岡荘八氏による歴史小説で、韓国では「大望」という書籍名で出版されていた。記事によれば、韓国で「大望」は財政界の人びとにとっての必読書と見なされているという。朴元大統領にとって「大望」は愛読書の1つであり、朴元大統領の父で、1963年から1979年まで大統領を務めた朴正煕(パク・チョンヒ)氏も同じく愛読していたとされる。

 記事は、2018年10月に朴元大統領が「大望」を獄中で読み返していると報じられたことを紹介しつつ、韓国メディアが「朴元大統領は徳川家康に自分を重ね、臥薪嘗胆のもと政界への復帰を狙っているのではないか」と伝えたと紹介した。

 だが、「大望」は韓国で1月23日に著作権法に違反しているとして発禁処分となり、韓国国内で「大望」を出版していた韓国東西文化社の社長に有罪判決が下されたと紹介。

 歴史小説「徳川家康」はもともと韓国の松樹出版社が版権を持っていたが、韓国東西文化社が改訂版を出版したと指摘。朴元大統領が愛読していた「大望」は版権に問題が存在していた改訂版にあたり、版権を持っていた松樹出版社が東西文化社を訴えていたと伝えた。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)