1月17日夜、東京・赤坂の高級料亭で元横綱・日馬富士(34)と元幕内・貴ノ岩(28)が「手打ち式」ともいえる会合をおこなった。相撲関係者によると、引退を決めた元貴ノ岩側から打診した席だった。

 店内の2人は和やかな雰囲気で、料理に舌鼓を打ちながら将来の話をしていたという。店を出て黒塗りの高級車に乗り込んだ日馬富士を追って、貴ノ岩も同乗し、夜の街へと消えていった。

 日馬富士による貴ノ岩への暴行事件から1年3カ月。強気な貴ノ岩の態度が軟化したのには、祖国での事情がある。

「貴ノ岩が日馬富士に対して求めた賠償金は、約2400万円。モンゴル人の平均年収は日本円にして約60万円ですから、モンゴルの人々の反感を買い、ネットを中心に猛バッシングを受けた。

 日馬富士は、医療・福祉分野への支援や学校の設立など、慈善活動がモンゴル社会でかなり評価されている『英雄』です。貴ノ岩の家族も街中で心ない中傷を数多く受けて、本人も次第に耐えられなくなったのでしょう」(相撲担当記者)

 日馬富士による暴行事件を明るみに出し、貴ノ岩を日本で家族同然としてかばい続けたのは、元貴乃花親方・花田光司氏(46)だ。花田氏の退職後、貴ノ岩は2018年10月に訴えを取り下げた。

 だが、暴行の被害者だった貴ノ岩は、12月に付け人への暴行事件の加害者に。同月に現役を引退した。

「手打ち式」を、花田氏は知っていたのか。1月18日、かつての貴乃花部屋前で直撃した。

――昨晩の「手打ち」は知っていましたか?

「いえ、まったく知らない……」

――どう思われますか?

「いやいや、まったく……そのへんはちょっと」

――2月2日の貴ノ岩さんの断髪式には出席しますか?

「いや……回答はできません」

 こう答え、車で立ち去った花田氏。愛弟子に裏切られた形となった師の去り際は、寂しげだった。

(週刊FLASH 2019年2月5日号)