国産ブドウが冬の新たな売れ筋果実になっている。クリスマスや年末商戦の贈答需要を捉えた産地が、ブランド品種「シャインマスカット」の冷蔵物や、晩生の新品種供給に注力。12月は終盤で出回りが減る傾向が一変、東京都中央卸売市場の入荷量は月に約260トンと、ここ5年で倍増した。入荷増の単価高を続けている。

 国産ブドウは9、10月が最盛期で、冬に出回るのは東北産などが主力だった。だが、東京市場では2014年から「シャインマスカット」などの新品種が増え始め、産地構成が変化。17年は長野産の同品種の入荷量がトップだった他、岡山産の増加も目立つ。

 ブランド品種の増加に伴って、単価も伸びている。今年12月上旬の1キロ価格は1699円と、13年の2・6倍に上伸。卸売会社は「ブドウは冬の売り込みが弱かった。だが、ブランド力のある新品種の増加で、高級感のある商材として需要が高まっている」と分析。果実専門店だけでなく、スーパーの販売も定着してきたとみる。

 産地の出荷意欲は高い。JA全農長野によると、今年12月の出荷計画量は「シャインマスカット」で4万ケース(1ケース5キロ)と、3年間で5割以上増えた。「冷蔵物がメイン。国産ブドウが少ない時期なので、高値が期待できる。増産が進んでおり、出荷の平準化にもつながる」と説明する。

 JA全農おかやまは、晩生の赤系新品種「紫苑」の販売に力を入れる。露地物は11月から12月前半がヤマ場で、18年は80トンを出荷。3割を関東に仕向け、「有利販売のため消費地への供給を強めている」と話す。

 小売りも販売に手応えを見せる。東京都の果実専門店、新宿高野は、今冬から歳暮のカタログにブドウで初めて岡山産「紫苑」(価格は1房5400円)を加えた。フルーツパーラーで同品種のスイーツの消費が好調だったことを踏まえたもので、注文も順調という。同社は「ブドウそのものに高級なイメージがある。冬は希少性も贈答販売の追い風になる」(広報)と有望視する。