フライトがキャンセルになった時、乗客1人1人のケアを責任もって行うのが航空会社スタッフの当然の務めであるが、このほどアメリカン航空を利用した障害を抱える女性が、フライトキャンセル後に空港に置き去りにされるという出来事が起こった。現在、同航空会社ではこの件について調査をしているという。『CBS Chicago』『New York Post』などが伝えた。

パーキンソン病と糖尿病を患い、歩行困難で会話が不自由なオリンピア・ウォーソーさん(67歳)は、元夫の葬儀に出席するためミシガン州デトロイトからイリノイ州シカゴにアメリカン航空を利用して向かい、散々な目に遭った。

行きの便で、オリンピアさんはアメリカン航空に預けていた荷物を紛失された。そのため急遽、現地で葬儀用の服を購入することに奔走し、葬儀が始まる時間に間に合わず途中からの参列となってしまった。そして帰りの便に乗ろうとした11月30日、更なるトラブルに見舞われた。

この日、オリンピアさんの息子クロード・コルティアさんは、母親が無事デトロイトに帰ることができるようにシカゴ・オヘア国際空港の出発ゲートまで付き添った。そしてゲートの職員にオリンピアさんが乗る予定のフライトが定刻通りであることを確認し、職員も「お母様のことは任せてください」と約束した。全て順調にいったため、クロードさんは母親に別れを告げ、自分が乗る便のゲートに向かった。

ところがその後、オリンピアさんの乗るフライトがキャンセルになった。アメリカン航空は、空港ポーターに同航空会社の受付カウンターまでオリンピアさんを連れて行くよう依頼。カウンターへやってきたオリンピアさんに、同航空会社スタッフはフライトキャンセルとなった他の乗客同様、その日に宿泊するホテルのバウチャーを手渡した。しかし、空港ポーターや航空会社スタッフは車椅子のオリンピアさんをホテルまで案内しようとはせず、会話が不自由なオリンピアさんは一人でどのようにしてホテルまで行けばいいのかわからなかった。

さらにポーターは自分の勤務シフトが終わったことをオリンピアさんに伝え、そのまま去って行ったため、オリンピアさんは一晩中空港に置き去りにされた。

その夜、オリンピアさんがデトロイトの空港に到着しないことを知った家族は、アメリカン航空へ連絡した。オリンピアさんの居場所をすぐに把握できないと同航空会社から伝えられた家族は不安に包まれたが、その何時間か後に警備員がシカゴ・オヘア国際空港に前日の衣服のまま車椅子に座っているオリンピアさんを発見した。長時間ひとりで放置されていたオリンピアさんは、空港にいる旅行者に頼んでトイレまで案内してもらっていたという。

事態を知ったクロードさんは母親がとにかく無事であったことに安堵しながらも、米メディアの取材に対し「母はアメリカン航空と空港ポーターにひどく失望させられました。母が安全に帰路につけるようにきちんと応対してほしかった。でも、誰一人としてそうはしてくれませんでした」と失望感を露わにし、オリンピアさんの身内ジュリアン・コルティアさんも「障害を抱えた高齢者乗客への対応についてのポリシーを、今一度航空会社には認識してもらいたい」と語った。

アメリカン航空はその後、オリンピアさんの家族に謝罪し、オリンピアさんの航空券代を返金。さらにポーターを含む、オリンピアさんに対応した職員についての調査を進めているという。なお、このポーターは航空会社の職員ではないとアメリカン航空は話している。画像は『CBS Chicago 2018年12月1日付「Woman Left In Wheelchair Overnight After Flight At O’Hare Canceled」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)