マイクロソフトが2019年に、光学ディスクドライブを廃したXbox Oneの発売を予定している、との噂が報じられています。

このデバイスはHDDのみを搭載することからダウンロードソフト専用機となり、マイクソフトの狙いは(ディスクドライブ廃止による)ハードウェア価格の引き下げにあるとのこと。これにより価格はおよそ200ドル以下になるとの予想が伝えられています。

ゲーム専用機のディスクレス版といえば、まず思い出されるのがソニーのPSP go(2009年発売:上写真)でしょう。携帯ゲーム機のPSPからUMD(光学メディア)ドライブを取り除き、全てのソフトをネット上のPlayStation Storeでの購入とする割り切った設計は、時代を先取りした斬新さでした。

が、既存ユーザーにとっては「PSPのUMDソフトを持っていても、新たにダウンロード版を買い直す必要がある」というハード買い足し意欲を削ぐ事情もあり、早くも2011年4月に出荷終了が発表されました。

マイクロソフト関連のウワサに強い米ニュースサイトThurottによれば、ディスクレス版Xbox Oneと合わせて「disc-to-digital」プログラムも検討されているとのこと。これはXbox One用の物理ディスクをマイクロソフトストアなどの小売店に持ち込むと、ダウンロード版のアカウントに交換してもらえるサービスのようです。

その一方で、物理ディスクに愛着があってダウンロード購入には抵抗のあるユーザー向けに、Xbox One Sの「スリム版」も開発中とのこと。こちらはコアゲーム体験を犠牲にすることなく、コストダウンを実現する新たな方法を探っていると報じられています。

ディスクレスXbox OneとXbox Oneスリム(ともに仮称)はいずれも噂に過ぎず、今のところ確実に発売される保証はありません。ただし、Xbox責任者のフィル・スペンサーのもと、最近のマイクロソフトがXboxブランドに多額の投資を注ぎ込んでいるのは確かな事実です。

たとえば先日メキシコシティで開催されたイベント「X018」基調講演において、マイクロソフトは『Fallout: New Vegas』などを手がけたObsidian Entertainmentと、『Wasteland 2』をはじめRPG制作を得意とするinXile Entertainment、2つのゲーム開発会社を買収したと発表しています。



これに先立ち、E3 2018では『ゴッド・オブ・ウォー』や『レッド・デッド・リデンプション』の元開発者など人気タイトルのスタッフを採用した新ゲーム制作スタジオ「The Initiative」の設立やNinja Theoryなど4つのゲーム開発会社を買収したと公表しており、Xbox部門にかけられた期待の高さが見て取れます。

2016年には『ポピュラス』などのピーター・モリニューが所属したLionhead Studioほかマイクロソフト傘下のゲーム制作スタジオが次々と閉鎖されたこともありましたが、来年はライバルPS4に対する「Xboxの逆襲」が始まるのかもしれません。

関連記事:
マイクロソフト、E3 2019への参加を改めて表明。ソニーの不参加を受けて積極姿勢をアピール?