スシローグローバルホールディングスは11月8日、2018年9月期 決算説明会を開催。売上収益、営業利益ともに創業以来の最高益を更新したと発表した。新規出店数は、回転すし業界初の国内500店舗に到達。担当者は「大台に乗せる記念すべき1年になった」と総括している。

○国内外で店舗数を拡大させる方針

同社の2018年9月期決算は、売上収益が1,748億円(対前年比11.8%増)だった。コスト高の環境下にも関わらず、利益成長率は30%弱と2ケタ成長を実現。また、客単価も向上している。執行役員 清水敬太氏は「シャリに赤酢を使った寿司や、魚介ネタではない肉寿司など魅力ある商品を増やした。その結果、飽きずにご来店いただき、もう1品、多く手にとっていただけた」と説明する。

中期経営計画を前倒しで達成した同社では"新・中期経営計画"を発表。同社 水留浩一社長は「国内事業では、今後も出店余地がある地域に継続的に店舗を打っていく。その一方で、海外事業の展開にも大きくリソースを割いていきたい」と意欲的に語る。現在は韓国に10店舗、台湾に3店舗を展開しているスシローだが、進出国を5カ国以上に増やし、海外売上高を200億円にまで伸ばしていきたい考えだ。

水留社長が最終目標として掲げるのは、売上収益1兆円という大きなビジョン。その目標に向かってスタートを切る3年間となる。「将来はトヨタ、ソニー、パナソニックのように、世界中どこに行っても目にするブランドにまで成長させる。そうした最終的な展望につなげるために、大事な向こう3年間になる。次の5年、10年につながるようなノウハウを確立し、人材を構築していきたい」としている。

なお、国内事業ではパート、アルバイトの正社員化も進めていく。「現在でも、多いときで年間250人規模の正社員採用をしている」と水留社長。これと同時に、社会保険に加入できるパートの人員を増やす試みも進めている。これらの取り組みについては「しっかり店舗に入ってくれる方を増やせば、仕事のクオリティが良くなる。地元に根づいた方でも運営できるようにシフトしていきたい」と説明。現在、正社員の比率は1店舗あたり2.7ほどだが、これを早いタイミングで3にまで押し上げたい、と話していた。