地方から進学や就職で上京した若者がまず驚くのが、東京の人の多さ、ビルの多さだろう。山手線を一周するだけでも大きな繁華街はいくつもある。なかでも巨大なのが、新宿、渋谷池袋だ。

某月某日、あるネット掲示板では、東京ビギナーらしき若者たちの激論が交わされていた。

「池袋が一番カオスな気がするわ 新宿はステレオタイプな東京感を味わえる 渋谷は一番なんもない」
「新宿 都庁や高層ビルが沢山あって、いかにも東京という風景が楽しめる 渋谷 オシャレ、再開発も凄い、グーグルも来る、周辺も原宿代々木とかあって良い 池袋 サンシャインが孤軍奮闘」
etc

新宿、渋谷、池袋の中でナンバーワンはどこか? 彼らの議論は尽きることがなかった。

そこでJタウン研究所では、「新宿、渋谷、池袋で一番栄えてると思う場所は?」に関して、都道府県別にアンケート調査を行った(総投票数1024票、2018年1月10日〜10月9日)。

はたして、その結果は――。

「渋谷」派が潜むのは、〇〇県、〇〇府......?

「新宿、渋谷、池袋で一番栄えてると思う場所は?」という問いかけに対しての結果が、下の円グラフだ。「新宿」は755票、73.7%、「渋谷」は142票、13.9%、「池袋」は127票、12.4%だった。やはりと言えば、やはり、「新宿」派は7割を超える圧勝だ。


新宿、渋谷、池袋で一番栄えてると思う場所は? 調査結果(Jタウンネット調べ)

「新宿」と答えた人の率を、各県ごとに0〜50%、51〜70%、71〜90%、91〜100%と4段階に分け、比較を試みてみた。その結果を色分けすると、上のような日本地図になった(投票がない場合は、白地のまま)。

色分けされた地図を見ると、「新宿が一番」率が高い赤とピンクは、東北、東海、関西、中国、四国・九州の一部など、全国に広がっている。一方、「新宿が一番」率の低いブルーは、愛知や京都など全国各地に散在している。調査結果を仔細に見てみよう。


新宿・歌舞伎町の夜景(Joon Kyu Parkさん撮影、Wikimedia Commonsより)

まず、もっとも投票が多かった東京都の場合はどうだろう。得票数は807票と、総得票数の約5分の4だ。「新宿」は590票、73.1%、「渋谷」は113票、14%、「池袋」は104票、12.9%だった。ほぼ全国平均の結果に近い数字である。

南関東各県も見てみよう。「新宿が一番」率は、神奈川県(82.6%)、千葉県(85.7%)とやや高めだが、例外と言えるのは、埼玉県(62.5%)だった。一方、北関東はというと、茨城県(75%)、栃木県(100%)、群馬県(50%)など、かなりバラつきが見られたものの、新宿の強さに変わりはない。


渋谷駅前夜景(Takuya Matsuyamaさん撮影、Wikimedia Commonsより)

東北地方を見ると、「新宿が一番」率は、岩手県(100%)、宮城県(100%)、秋田県(100%)、福島県(100%)など、ますます高い。東京から離れるほど、「新宿が一番」率が高い傾向があるのかと思ったが、そうでもなさそうだ。

目を西に転じ、東海地方を見てみよう。岐阜県(100%)、三重県(100%)、静岡県(80%)と「新宿が一番」率の高さが目立つ中、愛知県(28.6%)は低かった。愛知は渋谷を挙げる人が多かったようだ。名古屋の人は、現在の渋谷の躍進ぶりをよくご存じのようだ。

さて関西はどうだろう。「新宿が一番」率を見てみると、大阪府(100%)、滋賀県(100%)、兵庫県(100%)、和歌山県(100%)と軒並み高い中、例外は京都府(40%)だった。京都も渋谷派が多かった。京都人も渋谷には注目されていると見える。


池袋のビル街(Komontさん撮影、Wikimedia Commonsより)

一方、「新宿が一番」率が高い中国、四国から九州へと、目を向けてみる。岡山県(100%)、広島県(100%)、山口県(100%)、徳島県(100%)、愛媛県(100%)、福岡県(100%)、宮崎県(100%)など、軒並み高いことが分かった。