日曜日に行なわれたオーストリア・リーグ第8節、レッドブル・ザルツブルクvsラピド・ウイーンの一戦はホームチームに軍配が上がった。2-1の快勝を収め、無傷の開幕8連勝で首位を快走。その試合で貴重な先制点を決めたのが、日本代表FWの南野拓実だ。
 
 36分だった。アマドゥ・ハイダラのパスをペナルティーエリア手前で受けた南野は、鋭い反転から右足を素早く振り抜き、相手GKもノーチャンスなコースでゴール左隅に蹴り込んだ。ライブ中継していた『Sky Sports』の実況は「なんて完璧な弾道だ! 日本人アタッカーが目の覚めるようなゴールで均衡を破った!」と絶叫した。
 
 今シーズン2点目を挙げて波に乗る南野は、その後も定位置の左サイドで存在を示して攻撃陣を牽引。フルタイム出場を果たして、MVP級の働きを見せた。

 
 オーストリア全国紙『Kurier』は「ミナミノの一撃が王者に勢いを付けた。正確で高度な技術を要するゴールだ」と称え、地元紙『Tiroler Tageszeitung』も「クールな男が素晴らしいゴールでスタジアムを熱狂の渦に巻いた」と評価。さらにドイツ紙『Weltfussball』のオーストリア版は「上手く力の抜いたショットで、相手ディフェンスの人垣を打ち破った」とゴールを描写し、「90分間を通してミナミノは攻撃の中枢を担い続けた」と報じている。
 
 ここにきてグッと調子を上げてきた南野。10月の代表シリーズ(パナマ戦とウルグアイ戦)に向けても、最高のアピールとなった。