事業拡大へ資本増強
 事業拡大に向け、資本も増強した。鈴与建設(静岡市清水区)と土木施設の塗膜やさびの除去工事を行う施工会社「フォーカス・エンジニア」(静岡市清水区)を共同で設立。新会社の出資比率はトヨコーが60%、鈴与建設が40%。クーレーザーを使った塗膜やサビの除去工法を核に、老朽化が進む橋の補修工事で需要を開拓する。

 さらに18年5月には前田建設工業、第一カッター興業、デジタル・インフォメーション・テクノロジーの3社が計2億円をトヨコーに出資した。

 4月には2025年3月期を最終年度とする新中期経営計画をスタート。SOSEI事業とクーレーザー事業を経営の2本柱とする、新たな成長戦略に向けた大きな一歩を踏み出した。

 経営は豊澤社長と茂見副社長のツートップ体制。豊澤社長は豊かな発想と行動力で新しいアイデアや事業を生み出す。茂見副社長は、トーマツ出身でマネジメントや経営戦略のエキスパートだ。「事業を拡大するには人が必要。まず当期中には20人体制にしたい」(茂見副社長)と人材の採用に奔走する。

地域の産業と融合
 「クーレーザーは、浜松地域が長年に渡って蓄積してきた『光』に関する科学・産業技術と豊澤社長というアントレプレナーが結びつき、生み出されたもの」。こう語るのは、同社を後押しする関東経済産業局の麻生浩司氏。クーレーザーは地元の関連企業への波及だけでなく、インフラ業界が長年抱える課題を広く解決できる可能性がある。「地域・業界を照らす新たな『光』となってもらいたい」(同)。

 各業界から注目を集めるクーレーザーだが、責任を持って施工するため、導入期は自社施工のみで行う。成長期と位置づける2020年以降にレンタルを開始。将来はIoT(モノのインターネット)のサービスモデルを確立するほか、海外展開も視野に入れる。ビジョンの実現に向け、社外の協力会社とも積極的な協業体制を構築する方針だ。8月には日本郵船と海事分野の腐食対策などで共同事業を展開する検討を始めた。

 「パイは自分で焼く」と豊澤社長。限られた市場でパイ取り合戦をするのではなく、「積極的に新技術を開発し、顧客の困り事を解決する。キレイに、未来へつなげたい」と新市場の創出へ、意欲を燃やす。