先進国でありながらも、
イギリスでは貧困家庭の子供たちは生理用品を購入する余裕がなく、学校を休んだり靴下を代用したりする女子生徒が増えている。こうした事態を重く見た協議会側が、このほど学校側に生理用品を無料で供給するというイングランドとしては初の試みがなされることになった。『Metro』などが伝えている。
ミルトン・キーンズにあるミルトン・キーンズ・アカデミーに通うペイジ・ピルキントンさん(13歳)は、友人たちが生理期間中に生理用品が買えないことから学校を休みがちであることに気付き、今年3月に「Girl Pack(ガール・パック)」というプロジェクトを立ちあげた。
このプロジェクトは、低収入の家庭の女子生徒たちに生理用品を提供するためのもので、ペイジさんは母親エリーさんの協力を得て、クラウドファンディングサイトのアカウントを設置した。そこで資金を集め、生理用ナプキンや下着、手の除菌用ローションなどを購入。ミルトン・キーンズ市内と近郊の6つの学校およびフードバンク(食糧寄付団体)や地元住民らが集まる施設などに供給した。
またペイジさんは、ミルトン・キーンズ元市長のデイヴィッド・ホプキンスにも会ったことで、この事案が協議会に受け入れられ、今後は協議会が無料で各教育機関へ生理用品を供給することが約束された。キャンペーン主催者のペイジさんは、この喜びを自身のTwitterでもこのように綴っている。
「協議会が学校に生理用品を供給してくれるようになって、本当に嬉しい! 協議会のスタッフに感謝します。2018年の今、生理用品が購入できないというのは国全体にとっても深刻な問題だと思います。こうした状況を変えるべき時期が来たのではないでしょうか。」
ペイジさんは、以前は生理用品を買う余裕のない友人たちが学校で恥ずかしい思いをしないよう自分の分をあげていたという。しかし「それでは問題解決にはならない」と気付き、「Girl Pack」のキャンペーンを企画・実施した。
この事案を引き受けた協議会側も、「いずれ図書館やコミュニティーセンターなどの公共施設で生理用品の無料供給が幅広く行われていくことを望んでいる」と話している。またスコットランドでも、先月から政府が学校やカレッジ、大学などの各教育機関に無料で生理用品の供給を開始している。
なおPlan International UKの調査では、英女性の45%が生理中に靴下や新聞紙を使用しなければならない環境下にあることが明らかになっている。
画像は『Crowdfunder 2018年7月31日付「Girl Pack」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)