トリドールジャパン(神戸市)が展開する讃岐うどんチェーン「丸亀製麺」公式ツイッターの投稿に、一部の香川県民がかみついた。

発端となったのは、うどんに大量の青ネギを乗せる食べ方を紹介した丸亀製麺のツイートだ。これに、うどんの本場を自任する、香川に住むというユーザーから、「うどん本来の味が殺される」との主張が寄せられ、論争が繰り広げられているのだ。

うどん店「何故こんなこと書く?泣きたい」

丸亀製麺は2018年8月24日のツイートで、器からこぼれるほど大量の青ネギを盛り付けたうどんの写真をアップしながら、

「ぶっかけうどんにネギをこれでもかと乗せて食べてる方を見かけたのでやってみました!これネギ好きにはたまらないですね!」

と紹介。投稿のハッシュタグには、「#ネギだく」「#新発見」「#やってみた」などの言葉も添えていた。

これに反応したのが、香川県高松市にある讃岐うどん専門店「ふる里うどん」の店主だった。店のツイッターで24日夜、丸亀製麺の「ネギだく」投稿を引用する形で、

「讃岐うどんの文化壊すの止めてもらえないですか?」

と切り出したのだ。

続けて、今はネギが高価な時期にもかかわらず、香川のうどん店がセルフサービスを続けている理由について、「人件費減らしてでも安く『讃岐うどん』出したいからなんだよ!」だと力説。その上で、

「何故こんなこと書く?泣きたい」

とも。要するに、「讃岐うどん」の名前を使ったチェーン店が、ネギを大量に盛り付ける行為を紹介したことに、本場・香川の同業者として不満を述べたのだ。

「うどんくらい好きに食わしてくれ」

このように、讃岐うどんに対する思いを熱く訴えた店主の投稿は反響を呼び、ツイッターやネット掲示板には、香川県民とみられるユーザーから、

「ネギの苦味でうどん本来の味が殺されるということに、何故気付かないのかねえ?」
「丸亀製麺がネギ大量に乗せてもいいよ的な奴を投稿したら香川のうどん屋で真似するバカ県外民が出るんだよ」
「個人で死ぬほどネギ入れてる人は今までもいたんだろうけど、公式アカウントが発信するのは迷惑なのでやめて」

といった声が次々と出ることになった。

一方で、こうした「讃岐うどん原理主義者」の主張に違和感を覚えるユーザーの姿も目立っている。丸亀製麺は単に「ネギだく」という食べ方を紹介しただけで、それを推奨しているワケではないなどとして、

「うどんくらい好きに食わしてくれ」
「美味しければ良くない?」
「うどんとネギの最適なバランスを知ってるのは食う本人だけ」

といった擁護意見も相次いでいる。

店主がホンネ「正直、香川では...」

なお、今回の騒動を過熱させた「ふる里うどん」店主のツイートは、すでに削除されている。そこでJ-CASTニュースが28日午後、投稿を消した理由について本人に取材すると、

「私が丸亀製麺を批判したように受け止められてしまったので...。決して、そんなつもりはありませんでした。別に、あのネギだくの投稿に怒っているワケでもないですし」

と話す。

投稿の真意については、「正直、香川のうどん店では、ネギを大量に盛ることを推奨していないところが多いというか...。ああした食べ方は主流ではないですし、どこか嫌がられるような風潮があるんですよね」とポツリ。その上で、

「讃岐うどんを全国に広めて下さっている丸亀製麺さんだからこそ、そこはちょっと配慮して欲しかったかなって。讃岐うどん店のトップだと認めているからこそ、ひとこと言いたくなってしまったんです」

との思いを明かした。なお店主は取材の中で、「誤解しないで欲しいのですが、お客さんがネギをたっぷり使ってうどんを食べることは自由です。そこは人それぞれなので、それを否定するつもりは一切ありません」とも話していた。

一方、「丸亀製麺」を運営するトリドールジャパンの広報担当者は、「ネギだく」のツイートをめぐる今回の騒動について、J-CASTニュースの取材に対し、

「丸亀製麺ではお客様が好みに応じてカスタマイズを楽しんで頂けるよう、各種無料の薬味や調味料をご用意しています。(※一部店舗を除きます)お好きなだけたっぷりと使い、自分流の楽しみ方を見つけてみてください」

とだけコメントした。