新星キリアン・エムバペに、得点王に輝いたハリー・ケイン、そして獅子奮迅の働きを見せたルカ・モドリッチ――。祭典を彩ったスターの中から、活躍が際立った11人を選出。これが、ワールドサッカーダイジェスト編集部が選定した「ベスト11」だ。23歳以下を対象とした若手ベスト11と併せて紹介する。
 
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 19歳にしてフランスを二度目の戴冠に導いたのがエムバペだ。爆発的なスピードで並み居るDFを手玉にとれば、落ち着いたフィニッシュワークで4ゴールを叩き出し、攻撃を牽引した。そのエムバペとともに「大会の顔」となったのが、モドリッチ。抜群の運動量とパスワークでピッチを牛耳り、クロアチア初の決勝進出の立役者となった。鋭い読みで次々にボールを奪い取ったエヌゴロ・カンテも、同じく中盤で絶大なプレゼンスを発揮した。
 
 やや尻すぼみ感があったとはいえ、クリスチアーノ・ロナウドとケインは自慢の得点力を見せつけた。今大会でハットトリックを達成したのはこのふたりだけで、6ゴールを挙げた後者は得点王に輝いている。対照的に尻上がりに調子を上げたのがベルギーの“二枚看板”エデン・アザールとケビン・デ・ブルイネ。なかでも王国ブラジルを破った準々決勝のパフォーマンスは圧巻だった。
 

 
 左SBに人材が乏しかったため、最終ラインは、安定感抜群のラファエル・ヴァランヌ、老獪なディフェンスが光ったミランダとアンドレアス・グランクビストの3バックを採用。GKには、コロンビア戦でイングランドの「PK負け」の歴史に終止符を打つなど、アグレッシブなセーブを連発したピックフォードを選出した。
 
[WSD編集部選出・ロシアW杯ベスト11]
GK:ジョーダン・ピックフォード(イングランド/24歳)
CB:アンドレアス・グランクビスト(スウェーデン/33歳)
CB:ミランダ(ブラジル/33歳)
CB:ラファエル・ヴァランヌ(フランス/25歳)
セントラルMF:ルカ・モドリッチ(クロアチア/32歳)
セントラルMF:エヌゴロ・カンテ(フランス/27歳)
右WB:ケビン・デ・ブルイネ(ベルギー/26歳)
左WB:エデン・アザール(ベルギー/27歳)
右WG:キリアン・エムバペ(フランス/19歳)
左WG:クリスチアーノ・ロナウド(ポルトガル/33歳)
CF:ハリー・ケイン(イングランド/24歳)
※年齢は大会開幕時点(2018年6月14日)。
 
 続いては「若手ベスト11」だ。
 
 とりわけ眩い輝きを放ったのが、アレクサンドル・ゴロビンとイルビング・ロサーノだ。前者は開幕戦で4ゴールに絡むなど開催国躍進の原動力となり、後者はドイツ戦で決勝ゴールを叩き出し、世界に衝撃を与えた。攻撃陣は、このふたりに加え、セネガルの快足コンビ、エムバイ・ニアングとイスマイラ・サールが印象的だった。
 
 小柄ながら再三のボール奪取で驚きを与えたルーカス・トレイラは、攻守に躍動感のあるプレーを披露したオゲネカロ・エテボと同様、中盤を引き締めた。

 
 ともにCBが本職ながらSBをソツなくこなし、優勝に貢献したバンジャマン・パバールとリュカ・エルナンデスに、すべてヘッドで3試合連続ゴールを叩き出したジェリー・ミナ、1対1の守備での強さが際立ったマヌエル・アカンジを加えてDFラインを形成。GKはポテンシャルの高さを見せつけた19歳のフランシス・ウゾーだ。
 
[WSD編集部選出・ロシアW杯若手ベスト11]
GK:フランシス・ウゾー(ナイジェリア/19歳)
右SB:バンジャマン・パバール(フランス/22歳)
CB:ジェリー・ミナ(コロンビア/23歳)
CB:マヌエル・アカンジ(スイス/22歳)
左SB:リュカ・エルナンデス(フランス/22歳)
セントラルMF:オゲネカロ・エテボ(ナイジェリア/22歳)
セントラルMF:ルーカス・トレイラ(ウルグアイ/22歳)
右SH:イスマイラ・サール(セネガル/20歳)
トップ下:アレクサンドル・ゴロビン(ロシア/22歳)
左SH:イルビング・ロサーノ(メキシコ/22歳)
CF:エムバイ・ニアング(セネガル/23歳)
※年齢は大会開幕時点(2018年6月14日)。