ビジネス街から“オトナの遊び場”に変貌─。再開発が進む東京駅丸の内地区に11日、超高層の商業ビル「東京ビル TOKIA(トキア)」が開業した。同日夕には開業イベントが行われ、開発を手がけた三菱地所の木村恵司社長と、タレントの安倍なつみさん、加藤紀子さんらによって、92万球からなるクリスマスイルミネーションが点灯された。

 コンセプトは「大人たちが、肩の力を抜き、遊び心を持って、良いものを純粋に楽しめる場所」。地下1階から地上3階までに、関西系の飲食店や米ニューヨークに本店があるエンターテインメントクラブ「コットンクラブ」(22日開店)など29店舗が入居、一部店舗は午前4時まで営業する。ビル内には、ビューティーサロンや、乳ガンの早期発見や治療も可能な女性向けの統合ヘルスクリニック、月極め保育から一時預かりもできる託児所も開設して、働く女性をサポートする。

 同ビルは、三菱地所やチッソの本社があった旧東京ビル(1951年完成、地上10階建て)を、三菱地所、東日本旅客鉄道、東京三菱銀行の3社で再開発したもので、東京駅と有楽町駅の間の千代田区丸の内2丁目に建つ。敷地面積約8100平方メートル、地上33階・地下4階建てで、のべ床面積は約15万平方メートル。10月17日に竣工したオフィスゾーンには、三菱電機の本社やJPモルガン、日興コーディアル証券などが入居し、満室で稼働している。

 また、開発段階では、「容積移転」と「用途入替」という新たな制度を活用した。2001年の都市計画法、建築基準法の改正で導入され、隣接しない建物間でも容積率の融通を認める「特例容積率適用区域制度」の指定を国内で初めて受け、JR東京駅丸の内駅舎の余剰容積の一部を移転した。一方で、市街地活性化のため、複数の開発プロジェクト間で文化施設の機能を1カ所に集約する都の特例を生かし、三菱地所が有楽町で進める高級ホテル「ザ・ペニンシュラ東京」の開発プロジェクト(旧日比谷パークビル)と融通して、同ビルは文化機能の一部を譲渡する代わりにオフィス機能を集約させた。【了】

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livedoor 地図(東京ビル)